事例 さとやまマルシェメインビジュアル
2020年から毎年ビジュアルを担当させてもらっているさとやまマルシェ。クライアントであるブランドプロデュースラボさんが主催で、広島県の里山・里海の商品を集めたマルシェを広島そごうで開催する取り組みです。今年度で5回目の開催で、今年も代表の川本さんよりご依頼いただいて制作させてもらいました。
1回目から、山のもの、海のものと合わせた人をメインにビジュアルを作っていて、あえて普通の表現とは違う、僕のコラージュアート系の表現でやってきています。というのも、普通に里山っぽい表現にしてしまうと年配の方のイメージになってくるので、若い方にも目を惹いて来てもらえるようなビジュアルにしています。1回目の頃からは大分僕自身のコラージュアートの表現も変化してきていますが、川本さんからは、前回の流れを汲みつつも、今の僕の表現で行きましょうとご依頼いただきました。
女性の顔を中心に、頭と体に広島名産の牡蠣やレモン、里にいる鳥や海の魚などをコラージュしていますが、実はこの女性や素材は全てAIで作ったものなのです。前回までは実際のモデルさんを使って撮影してから、そこにコラージュを加えていたのですが、今回はスケジュールの関係もあってモデルは難しいかも、という話があったんです。それならばと、僕の得意なAIでやりましょうとサンプルを作ってご提案したところ、それでOKをいただいたので、作り込んで行きました。さとやまのポスターをあえて最先端でやらせてもらった良い事例になったと思います。
川本さんとは昔からの知り合いでもあり、僕の活動のことも見てくださっていたこともあり、今回コラージュアートの表現で里山ビジュアル制作のお仕事ご依頼してくださいましたが、今、一番多くご依頼いただいているのは、コラージュアートの技術でアイドルなどのアーティスト写真を加工する仕事です。
アイドルとしてイベントやライブなどを中心に活動されている方々は全国にいます。そのアイドルがPRのためにアーティスト写真を作って定期的に発表する際に、アイドルの写真とコラージュアートを組み合わせた表現はとてもニーズがあるんです。
ご依頼は、大体メールやSNSなどで直接いただきます。僕のインスタグラムにアップしている実績を見られて、「こんな感じで作ってください」というような依頼が多いですね。ヒアリングしながら入れてほしいイメージなどを伺い、素材を配置して切り抜きを軽くやったラフを作ります。OKだったら、その後作り込んで仕上げていきます。昔はフリー素材を使っていましたが、最近はAI生成した素材を使っています。AIで生成しているので著作権も大丈夫ですし、小道具や背景もいらない。基本的には僕のセンスにお任せいただいて僕の世界観で作らせてもらっていますね。
アイドル以外にも、DJさんや、スポーツ選手、ホストクラブの方などからのご依頼もあります。人だけではなくて物のコラージュもできるので、いろんなものに活用されると面白いですよね。
コラージュアートの流れから、今、注目されているNFTの業務も多く手掛けています。NFTとは、デジタルデータに資産価値を付けられる最新の技術で、書き換えやコピーができないデータのこと。WEB3と言われている業界で、ブロックチェーンを使った技術で色んな事をやっています。例えば、僕が作ったコラージュアートのデータ自体に価値を持たせて、売り買いができる世界なんです。業務としても、大手通信メーカーさんから実験的に地方創生を絡めたNFTを発行したいという依頼があり、広島の名勝や特産品などでコラージュアートを作成しNFTを発行しました。その画像が売買されている、という世界です。
絵画のようなアート作品を買う、という感覚に近いので、コレクション目的で買う方もいれば、株式みたいな感覚で転売目的の方もいますし、持っていることで得られる特典もあるので、様々な意図で購入される方がいますね。作品によっては、ものすごい価値が上がることもあるので、夢のある世界でもあります。
NFTのブロックチェーンの仕組みは、海外の方が進んでいます。日本ではまだまだ浸透していない世界なので、もっと一般に普及させたいと思っています。自分の作品を発表して売買できる世界になると、誰もがアーティストになれる可能性があります。面白い世界になると思いますね。
僕はアーティストとしてもNFT作品を発表していますし、コミュニティーオーナーもやっているので、現時点ではNFTへの知見は深い方。昨年、広島の企業さんが事業としてNFTのサービスを立ち上げられたんです。僕は知見を活かして、プロデューサーとして入らせてもらっています。
僕がコラージュアートの活動を始めたのはフリーランスになってから。当時、何か自分の武器が必要だと思って色んなアワードに応募するようになって、たまたま受賞したのがコラージュの作品でした。それでこの方面に行こうと切り替えてやってきて、今があります。
デザイナーの仕事はお客様の作りたいものを作ることですが、アーティストは自分の作ったものを買っていただくこと。今、ありがたいことにそうなりつつある状況です。僕の肩書として、コラージュアーティスト、コラージュデザイナー、NFTクリエイター、デザイナーなど、なんて名乗るかややこしくなっています(笑)。
NFTは、作って終わりではなくて作ったものに価値をつけることができる技術。みんな気にはなっているけどまだやっている人が少ない状況なので、僕の活動と合わせることでもっと一般化できるようにしていきたいと思っています。
同じようにAIも当たり前の時代が来るのは間違いない。こういう新しい技術をどう使っていくかは自分次第。便利に使いながら、自分なりの表現でこれからも作品を作っていきたいと思います。
ロゴ、名刺、チラシ、ポスター等、起業に必要なデザインから、現状を変えるデザインまで広くご提供。
コラージュアーティストとして心に刺さるビジュアルの制作も承ります。
広島市