「ともに、つくる」を大切に、企業の前進をお手伝い
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つくり手と使い手
両者の目線に立って
らしさを探し表現する
事例 SUSU
株式会社越智
化粧筆販売
coto.toco.
グラフィックデザイン

INTERVIEW

はじまりは「と、つくる」へのご相談から

越智さんが新しい商品のパッケージを依頼するデザイナーを探すために、と、つくるにご相談されたのが始まりでした。と、つくる登録デザイナーの中から越智さんの依頼に合いそうなデザイナーを何名か紹介されて、私もその中の一人として紹介していただいたのです。直接お話させてもらった数日後に、越智さんからメールでご依頼をいただいて、このプロジェクトがスタートしました。
まずは、越智さんのことを知るために、創業80年になる会社のこと、書道筆の製造からメイクブラシの製造へ転換された過去があって、どんな経緯で今、株式会社越智があるのか、ヒアリングや工場見学を通して越智さんのことを理解していきました。そして、メイクブラシ製造の高い技術力で、誰もが知っている超有名化粧品メーカーのメイクブラシのOEMをメインにお仕事をされていることも勉強させてもらいました。

一番のエンドユーザーである自分自身が使い、学ぶ

お恥ずかしい話ですが、私自身がメイクブラシを使ってメイクすることがない生活なのです。メイク用品を買った時に付属されているチップを使ったり、なんなら手で塗ったり(笑)。そういう感じでメイクブラシの使い方も分からない状態だったので、まずは自分がメイクを取り入れる生活の勉強を始めました。デパート1階の化粧品カウンターに行って筆を使ってメイクする方法を教えてもらったり、気になっているメイクアップアーティストの本を買って読んだり、メイク教室にも行きましたね。そうしているうちに、だんだんメイクをする時間が至福だと毎日が楽しい!と感じるようになって。義務感のようにメイクするのではなく、上質な筆を使って丁寧にメイクする行為って、本当に気持ちがいいし、自分がきれいになる喜びがある。そういう理想のライフスタイルが見えてきました。

市場調査と現状の把握はしっかりと

化粧品ブランドや、同業他社のメイクブラシなど、自分自身で色々試し勉強する中で、越智さんの立ち位置を分析していきました。市場的にはドラッグストアや100円ショップに行ってもメイクブラシは買えます。私たちは分からないから安くて買いやすいものを選ぶ。でも自分の好きな化粧品ブランドのメイクブラシは、ブランドを信頼しているから高くても買いたくなる。そこにはブランドとお客様との信頼関係があるんですよね。
また、メイクブラシの中でも、プロダクトデザイナーが作った美しく洗練されたもの、小枝のようなデザインのかわいらしい筆などメーカーさんによって様々。そういうデザインが響く人は買いますよね。越智さんの筆は、熊野の伝統技術を使った質の高さ、プロ仕様でワンランク上のメイクアップが可能という利点がある。でもデザイン的には特徴はなくて本当にシンプル。スタンダードな筆の形は、課題でもあり、個性として打ち出すべき点でした。

見えてきたSUSUの姿と伝えたい形

課題をクリアするためにはしっかりと良さを伝えていく努力が必要です。シンプルでスタンダード、だけど上質な筆を私たちの生活に取り入れてほしい。筆を売るその先にある、筆と一緒に暮らすライフスタイルを売ることをコンセプトとして打ち出すのはどうでしょうとご提案しました。
忙しい朝は、早くきれいになる時短メイクをしがち。その真逆で、朝こそ時間をかけてゆっくりとメイクする自分だけの時間をスタンダードにしませんかというのが私達のご提案です。その至福の時間が当たり前=素になってほしい、そんな素の自分を、好きになってほしい、という意味で「素 好 - SUSU」という商品名に決定しました。
このご提案を通して、作り手であり売り手である越智さん自身にも、奇をてらっていないシンプルなデザインでそばに置いてずっと使える商品だからこそ、自信を持って売れるという気持ちになっていただけたと思いますね。

存在感を伝える、丁寧な線画で描いたパッケージ

越智さんがお客様に提案したい、思いの詰まったメイクブラシは、シンプルでベーシックな形。筆そのもののスッと真っ直ぐな佇まいから結びついたのが、素描家shunshunさんの線画でした。素だから素描なのではなくて、shunshunさんがライフワークとして描かれている真っ直ぐな線の作品が、シンプルだけど上質で嘘のないSUSUの姿と似た存在だと感じたんです。その線の作品と並立させることで、この筆の存在感を説明できるのではと思いました。
越智さんにお伺いしたところ、この商品が細く、長く、愛されたいと思われていたそうで、その思いも線画とリンクするので、ぜひshunshunさんにお願いしたいとお返事をもらいました。
そこで、shunshunさんへご相談をしたところ、そういう商品であればぜひ、と承諾していただけて!線の作品はたくさんありますが、SUSUの物語をお伝えして、このために新しく描いていただき、パッケージが完成しました。

思いとストーリーを表現することが、ブランドの信頼感を作る

商品として、販売できる状態が整ったら、それをどう伝えていくかが次の課題です。今は販路がないので、ウェブサイトは絶対に必要ですとお話して現在制作しています。ブランドとしてのSUSUは、株式会社越智の中にあるという見せ方で会社のウェブサイトとしても機能する作りにしています。7月にプロのメイク、モデル、カメラマンさんと撮影を行いました。「素のわたしを好きになる」がテーマなので、ほぼノーメイクに見えるようなメイクで、筆、線画、素の女性が並行して存在する見せ方で表現しています。
今後は越智さん自身が販売していくわけですが、越智さんがいなくてもSUSUが旅立っていくような、ブランドとしてのきちんとしたストーリーが構築できたかなと思います。一緒に作ったリーフレットやウェブサイトを見ていただいて、いろんな方にブランドの思いが伝わって、筆のある生活が当たり前になるといいですよね。

一緒に未来を見るのが、デザイナーの役割

元々のご依頼は、新しいメイクブラシを販売するにあたり、商品名を決めてパッケージを作ることでした。でもデザイナーは、ただ可愛いものや、きれいな側(がわ)だけを作ることはできないのです。リサーチもしますし、一緒に未来を見ていかないと、デザインにはたどり着けない。そして、商品は作って終わりではなく、発展するものでないといけません。会社の背景や商品への思いを伺って、それが何なのか、どういう存在なのか理解してもらえるようにストーリを付けて、イメージを構築するのがデザイナーの役割だと思います。時間はかかるかもしれないけど、一緒に未来を見る存在でありたいと思います。

coto.toco.

広告制作会社を経て、2011年に独立。
「事(コト)」ある「所(トコロ)」へ。
そのものに寄り添うデザインを目指して、日々取り組んでいます。2017年HADC賞グランプリ、HADC賞受賞。

広島市中区本川町2-1-4 浜本ビル302
TEL
082-533-8740
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WEB
http://namiyabuki.tumblr.com/
従業員数
1名
創業
2011年
矢吹 菜美
グラフィックデザイナー

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