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082-242-4170
仏壇職人と
コラボレーションした
新しい形の積み木
事例 YAMAZUMI ヤマヅミ
有限会社栄光工芸
木工製造
千差株式会社
プロダクトデザイン

INTERVIEW

伝統工芸の広島仏壇製造に携わる木工職人との出会い

ヤマヅミの製造をお願いしている栄光工芸さんとの出会いは、共通の知り合いである方から伝統工芸再生委員会というプロジェクトに声をかけていただいたのがきっかけです。広島の伝統工芸に携わる職人さんと、若手デザイナーとで技術とデザインを組み合わせた新しい商品を作るというコンセプトの取り組みで、弊社とマッチングしたのが栄光工芸さんでした。栄光工芸さんは広島仏壇の製造に携わる木工職人として、お仏壇や欄間の製造を手掛けられていますが、近年の金仏壇需要が右肩下がりの状況に危機感を持たれて新しい展開を模索されているところでした。そこで、今お持ちのお仏壇製造の技術があるからこそできる新しいブランドを作りましょうとご提案をさせていただきました。

受注するだけではない、柔軟な答えの出し方とは

新しいプロダクトを作るだけではなく、その後の広報物や販路も含めてご提案したところ、やってみたいが今の段階で費用をかけて投資するのが難しいということで、一旦その提案自体は保留になりました。ただ、その際にご提案したブランドコンセプトには共感していただいて、デザインのサンプルなども色々試作していたんです。私たち千差のスタンスとして、受託でお客様のものを作ることをやりながら、自身もメーカーとしておもちゃと雑貨のブランドを作って事業展開している側面があるんです。栄光工芸ブランドが保留になるのであれば、千差のブランドの方で、逆に私たちが発注側になり、栄光工芸さんの技術を活かした商品を作りたい。そんな強い思いが湧いてきたのは、制作会社兼メーカーならではの答えの出し方があったからだと思います。

職人の技術があったからこそ生まれた、新しい積み木

私たちが展開しているSukima.というブランドは、子供のおもちゃを主に作っていますが、おもちゃの定番である積み木の商品がラインナップになかったんです。元々考えていたデザインはあったものの、それを形にする方法は模索中でした。栄光工芸の職人である上畠さんとのやり取りを通して、小さくて繊細な木材を組み合わせる技法が、新しい形の積み木製造に活かせると思い、設計図を作り、形にして出来上がったのがヤマヅミという名前の積み木です。材料はお仏壇製造に使われる無垢のモミ端材を使っていただく事で、資源にも配慮しています。また、小さな子供が口にしても安心な、認証を受けた接着剤を使っています。

ブランドコンセプトは、インテリアになるおもちゃ

Sukima.のデザインの軸は、自然のモチーフを図形に落とし込むこと。この積み木も、山をデザインのベースにし、商品名のとおり山を積むように積み上げられる、山型、谷型のパーツが特徴です。面で積み上げる丸型や四角型ではないからこそ、バランスを考えながら積める設計になっています。
また、積み木にしては珍しく、木の塊のようなブロック状ではなく、板材を貼り合わせたフレーム状なのが、栄光工芸さんとコラボした特徴です。職人さんの丁寧な作業によって作り出されるヤマヅミは、Sukima.のブランドコンセプトである「インテリアのようなおもちゃ」を体現するように、子供はおもちゃとしても楽しめ、大人はインテリアとしてオブジェのように飾っていただいても楽しめる、一生側に置いてもらいたい美しい積み木です。

作っただけでは広まらない、自ら販路を開拓して思いを届ける

完成したヤマヅミは、2019年のひろしまグッドデザイン賞の奨励賞を受賞し、嬉しい評価をいただきました。その後もイベントや美術館での体験展示を通して、実際に子供たちに遊んでもらう場を設けていますが、積み上げたり、並べたり、パズルにしたり、時間をかけて色んな遊び方をしている様子を見ると、こちらも色々発見があって面白いですね。商品は直販や卸売りも開始しています。2月にバイヤー向けの商談会に出展するので、たくさんの方に商品をお届けできるように販路を作っていきたいと思っています。

トライファーストできたのは、信頼関係があったから

今回、千差の商品として製造を栄光工芸さんにお願いする形で協業することで、栄光工芸さんの方も一通り新しい商品を作って売るという、これまでとは違った景色が見えたと思います。もし弊社が受託しかしない会社だったら、この経験を一緒にできなかったかもしれません。私たちがトライファーストという形で発注側になることで、私たちの資産としても物が残り、栄光工芸さんにとっては次のステップへ踏み出す準備というか、きっかけ作りができたのではないかと思います。この取り組みができたのは信頼関係があったからこそで、出会いのきっかけをくれたのが信頼している方だったのもありますが、何よりここまで来るのに上畠さんとは1年以上打ち合わせや試作を重ねる中で、お互いの関係性が築けていたからだと思います。

メーカーのノウハウを活かした、ものづくりに挑戦したい

千差では、メーカーとしての側面と、その経験に基づいたデザイン受託業務、また元々ウェブ系の仕事が多いのもあり、ITを絡めたイベントの運営なども行っています。今回のようなプロダクトデザインをはじめとした、グラフィックやウェブなども含めたブランディングがトータルでできることが強みです。広島には今回の栄光工芸さんをはじめとした、多様なもの作りが根付いている地域だと思います。ただ、技術を活かし切れていない場面を多々見るので、そういった職人さんとコラボレーションしたもの作りにチャレンジできるといいですね。私たちが心がけていることは、まだ世の中にないものを作ること。これからもいろんなアイデアや技術を組み合わせて、新しい体験のできるもの作りをしていけたらと思います。


上畠 成道
有限会社栄光工芸 専務
千差株式会社

こどもが散らかしても、ママがイライラしなくてすむ、インテリアになる知育玩具の開発・販売を行っています。また開発・運営などのノウハウを活かした、受託の相談も承っております。

広島市西区三滝本町
WEB
https://censa.jp
従業員数
4名
創業
2015年
柳谷 環
プロダクトデザイナー
国重 尚代
ファブエンジニア/デザイナー

千差株式会社のその他のお仕事

NAOYA TAKAYAMA
パンフレット/同梱物/EC
森のモビール
製品開発/製造/販売
おこづかい&レジごっこ
製品・アプリ開発/製造/販売