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ワクワクドキドキ
子供心を表現した
ミュージアム
事例 篠山チルドレンズミュージアム
篠山チルドレンズミュージアム
博物館
Studio Racca Planet
グラフィックデザイン

INTERVIEW

遊びと学びを混ぜた子供ための体験施設、チルドレンズミュージアム

イラストの仕事で普段から出版社の方とお仕事することが多いのですが、篠山チルドレンズミュージアムのお仕事も出版社の人のつながりで声をかけてもらいました。1995年位から、アメリカでチルドレンズミュージアムという、遊びと学びを混ぜた施設があって、その当時の日本にはまだあまり知られていなかったと思います。ミュージアムというと普通は、「触らない、走らない、騒がない」が原則ですが、チルドレンズミュージアムの場合はその真逆で、「どうぞ触ってください、走ってください、そして何かを発見して驚いてください」というスタンスなんですよね。その出版社の方が別で企画の会社をされていて、日本でもそういう施設をやりたいと模索されている時に出会いました。お話を聞いて、自分もぜひ関わりたいと意気投合して話が進んでいきました。

廃校をミュージアムへ、篠山市との取り組み

篠山チルドレンズミュージアムは、兵庫県の篠山市で廃校になった中学校を、地域のために再生するプロジェクトとして、篠山市へのプロポーザルのプレゼンテーションをする段階からスケッチを描いたりして一緒に作りあげていった感じです。実施が決まってからは、基本的にはプロデューサーがやり取りはしますが、要所要所での打ち合わせは同行して、市の担当者や住民のボランティアチームと話し合いながら、どういうものがこの地域にふさわしいのか、どういうものがあればいいかを検討して進めていきました。

校舎自体を、一つのキャラクターとしてデザインしたロゴマーク

その中で私は全体的なアートディレクションと展示をメインで担当させていただきました。まずはチルドレンズミュージアムの顔となるロゴの作成から取り組みました。ミュージアムの場所となる旧木造校舎は、最初見に行った時はボロボロで、風情はあるけどさみしい状態の校舎だったんです。校庭も廃墟のような感じでしたね。でも訪れた時にパッと目に入ってくるのはやはりその校舎なんです。だからロゴの中に校舎を入れることで、今はさみしい校舎が生まれ変わっていくシンボルになればいいなと。校舎のスケッチを重ねて、校舎自体を一つのキャラクターのような感じでロゴに仕上げました。
ロゴの文字は、遊具が合わさって文字ができているイメージですね。笹山は丹波の黒豆の産地なので、緑の部分は実は黒豆をモチーフにして地域性を出しました。子供の施設なので、色は明るく楽しく元気な色を使っています。

キャラクターは、ミュージアムの住人

ロゴができたので、次はミュージアムに使うキャラクターの作成にとりかかりました。
元々学校なので、広くていろんな部屋があるんです。キャラクター一つだけではなくて、いろんな展示の場所や遊具を置く場所にそれぞれのキャラクターがいてもいいんじゃないかなと思って。コーナーごとにキャラクターを作って、そこの住人という設定で考えていきました。

自然あふれる環境から生まれた、個性的なキャラクター

ミュージアムのある篠山市は、自然に囲まれた山間にあるのどかな場所で、イノシシやヤギ、ニワトリなども普通にいるんですよね。ミュージアムに来た時に、そういう動物のキャラクターがいたら自然とつながるなと思い、キャラクター候補の動物をリストアップして、ミュージアム内の場所とどういう風に関連付けるか考えていきました。それぞれのキャラクターには名前と、個性のある設定を決めています。
例えば、このナマズの名前は「ナマズ博士」。設定は「あふれるアイディアと独特のユーモアで我が道を行く科学者のナマズ。密かにノーベル賞を狙っている」。こういうキャラクターが場所ごとにいると思ったら面白いし、親しみがわき、もっと見つけたくなりますよね。最終的に、キャラクターは10個デザインしました。

ユニークな展示物が、家族のコミュニケーションを作る

キャラクターを作ったらそれで終わりではなく、そこから今度は館内の展示物のデザインに取り掛かりました。これがまたキャラクターデザイン以上のボリュームで(笑)。例えば、博物館には年表がありますよね、そういうのって文字が書いてあるだけであまり読まれない。でも展示的には必要なんです。どうせなら見てもらえる年表を作りたい。そこで、自分で読まなくても待っていたら向こうから来てくれる年表だったら見てもらえるよねと考えて。勝手に来てくれるもの、と言って思い浮かんだのが「回転すし」だったんです(笑)。いろんな年代のネタや、子供が楽しめる子供文化の年表が回ってきて、それをみて親子で話題が盛り上がるのって楽しいですよね。

アイディアを形にしていく、展示物のデザイン

他にも給食をネタにして、全国で打ち捨てられた食べきれなかった給食を供養する「食わず嫌い神社」だったり、世界の遊びが体験できるようなコーナーなど、展示のアイディアとデザインをやったのが面白くもあり、大変でもありましたね。校庭の遊具は模型を作って、業者さんに形にしていただきました。やることはとても多くて、最後の2-3か月は泊まり込みで、いろんなものが並行して進んでいる状態でした。

子供たちの反応が、ダイレクトに伝わる嬉しさ

最初の提案から約5年かけて、2001年に篠山チルドレンズミュージアムがオープンしました。オープンした時に、子供たちが大騒ぎしながら、楽しそうにワーッと走る様子を見た時は感動しましたし、嬉しかったですね。私のメインの仕事はイラストを描くことなので、一人で描いた本が出版されても、その本を誰が見てどういう反応をするのかダイレクトにはわからないんです。色んな人と協力し合いながら仕事をするのは楽しかったですし、このような場所作りに最初から最後まで関われたのは、すごい経験だったなと思います。

ミュージアムを支える、ボランティアクラブのパワー

実は後日談で、このミュージアムは予算の関係などで一度閉館になったんです。立ち上げの時に市民の方々でこのミュージアムを支えるボランティアクラブを作っていて、その方たちがそれではいけないという事で、復活運動をされたんですね。その甲斐あって、今は無事復活しています。復活した時に、一度ダメになったものがひっくり返ったという意味で、こうもりをモチーフにした11個目のキャラクター「おかえりこうもり」を作りました。
このボランティアクラブがある意味はものすごく大きいですね。館内の展示物って、作った時より、それを修復したり継続することの方が実は大変なんですよね。それを、ボランティアの方々が集まって愛着を持ってやってくれているのはとてもすごいことだと思います。ハードだけではなく、ソフトを含めてボランティアの人たちと一緒に作っていったいい事例だと思いますね。

デザインとイラストで、広島を盛り上げたい

私自身の仕事としては、子供向け出版物へのイラストを描く仕事がメインです。自分が著者として出している絵本も7-8冊あって、日本地図絵本や、なぞなぞを集めた絵本など、知育的な要素のある、楽しくてためになる絵本を書いています。
元々東京で仕事をしていて、今は地元の広島を拠点に仕事をしているので、イラストやデザインで何か広島が盛り上がるようなことに貢献できたらいいなと思っています。実は長年の夢は広島カープに関わることなんです。今はカープをネタに描いたイラストを動画にして、自分のSNSで発信しているんですよ。

判断基準は、もう一人の子供心を持った自分自身

私は子供のころ本を見るのが好きでした。本の付録の工作を組み立てたりした時のワクワクする感じや、面白がって夢中になっていた時のことって、記憶の中にすごく強く残っているんです。今は大人として本を書いたり、ものを作ったりしていますが、自分が子供になって楽しめるか、面白いかどうかは判断基準としてあります。もう一人の自分がいて、こうしたら楽しいんじゃないかということを一緒に考えてやっている感じですね。

デザインの力で、見せ方を変えられる可能性

自分ができることは、やはりデザインとイラスト。例えば企業のイメージも、何かキャラクターが一つあるだけで活動内容や商品に、より親しみが持てるものになるかもしれない。ロゴの雰囲気などを明るく楽しい雰囲気にすることで、企業のイメージがより身近なものになるかもしれませんよね。
デザインやイラストを取り入れることで、見た人の気分が楽しくなったり、雰囲気がよくなったりするような効果を実感してもらえる仕事ができたらいいなと思っています。

垣内 敬造
篠山チルドレンズミュージアム 館長
Studio Racca Planet

※PRテキスト(80文字以内)

WEB
http://nishimoto-osamu.com/
従業員数
1名
創業
1998年
にしもと おさむ
イラストレーター

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