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デッサンで描く
インパクトある
ラベルデザイン
事例 小左衛門 「米の芯」「根っこ」「土」
株式会社酒商山田
酒類販売業
TSUSHIMA DESIGN
グラフィックデザイン

INTERVIEW

酒屋がプロデュースする、独創的なお酒づくり

酒商山田さんは、自社店舗でのお酒の販売の他、全国の酒屋さんへの卸売販売もしているお酒の総合商社です。また、ただ仕入れて販売するだけではなくて、蔵元と一緒にオリジナルお酒を造るといった取り組みも手がけられています。
出会いのきっかけは、酒商山田の平田さんがお酒のラベルデザインを依頼できるデザイナーを探されていて、たまたま弊社のウェブサイトを見て声をかけてくださったのが最初でした。お酒のラベルは一般的には書道家が書いている筆文字のようなものが多いと思うんですが、それとは一線を画したラベルデザインを考えられていました。

農家、蔵元、デザイナーと作る、オリジナルのお酒

依頼いただいたのはコンセプトワーカーシリーズという、お酒の原料となる米を生産している農家、原料からお酒を醸造する蔵元、そして出来上がったお酒の味をラベルに表現するデザイナーというチームで作るこだわりのお酒のラベルデザインでした。今回は岐阜県にある蔵元のお酒「小左衛門」のラベルだったのですが、農家や蔵元のイメージから、このお酒のラベルはデッサンで、この瓶でやりたい、と既に平田さんが考えられていて。デッサンなら弊社に、ということでご依頼いただきました。平田さんは、たくさんの蔵元と取引があるので、農家や蔵元の特性から、それだったらこういう1本に、といったアイデアがどんどん浮かんでくる、お酒のプロフェッショナルです。

米をデッサンで表現した、インパクトのあるラベル

最初は「米」をテーマにしたお酒でした。お酒の原料である米粒をデッサンで一粒ずつ描いて集合体にしています。平田さんにご提案した時、「こんなインパクトのあるラベルは見たことがない」と言われて。ずっと見ていたくなるような、吸い寄せられるパワーのあるラベルデザインだと評価していただけました。これが発売前にすべて完売したんです。数量限定ということもありましたが、やはり大きいのは酒商さんのプロデュース力と販売力。酒の世界での経験値が高いから、出すものが当たるんですよね。大量生産ではないから、全国の酒店に卸すときに買い占められて、完売したそうです。酒商さんの店舗に出してもすぐ売り切れるということは、それだけ期待値が高い証拠ですよね。

本物の根をモチーフに、細かく描く

「米」の反響がものすごくよかったので、平田さんが次は何にするかと考えて、小左衛門のデッサンシリーズ第2弾として「根っこ」を出しました。稲の根って、普段は見えない部分ですし、実際目にすることもないですよね。それをラベルにするのは面白いなと。小さな根っこの集合体として、大きな根を形作っていますが、根1本1本の細かい表現は、実際の根っこをモチーフに何種類かのパターンを手描きで何千本と描いているんです。かなり時間をかけて細かく描いたので、正直予算度外視でした(笑)。
酒瓶に封をしているシールにも、根っこの一つを描いています。これは根っこでもあり雷の「稲妻(イナヅマ)」でもあるんです。古来より雷が稲を実らせるという信仰があって、稲にとって大切なものだから「稲妻」というそうです。根っこのデザインは、その稲妻にも似ている所がありますよね。今回の根っこのラベルは、偶然か必然か、稲との深い関係性のあるデザインになっていると思います。

世界に通用する酒屋との仕事

デザインについては、平田さんとやり取りさせていただきました。普段クライアントとの直案件が多いので、間に人が入ることが少ないんです。今回は蔵元のお酒を酒商さんが間にはいってプロデュースするという流れなのですが、平田さんの判断が速く、的確なので、実際直案件のような形で自由にやらせてもらえて、やっていて楽しい仕事でした。デッサンシリーズ第3弾の「土」も、そういう自由な感性を持って、デッサンで力強い土を表現しています。一緒にやればやるほど平田さんの目利きの力を感じますし、酒商山田さんは業界的に唯一無二の存在感があるので、世界にも通用する企業さんだと思っています。

産学連携で、学校教育とのコラボレーション

私は現在大阪芸術大学で教鞭をとっているんですが、今回の案件を学生の教育にも活かせたらという事で、酒商山田さんに入っていただいて産学連携の取り組みを行うという広がりに発展しています。お酒の味や造り手の想いなどを、ラベルという限られたスペースに、どうデザインで表現するか、授業の一環として仮想のプロダクトではなくて、リアルに商品として形にできることは学生にとって、すごく実践的で濃い経験になっています。同じ大学で教鞭をとられている松井桂三先生は、以前アップルのパッケージシステムを手掛けられた日本を代表するデザイナーなのですが、そういう方にも関わっていただきながら、良い取り組みができています。

信用と実績を重ねていったからこそできた、企業ブランディング

そういう積み重ねで、酒商山田さんとはお互いに信頼関係ができていました。そして、広島駅前にできる蔦屋家電に新しく店舗を出されるタイミングで、企業のブランディングを任せていただくことになったんです。これまでの紙袋などは緑色でしたが、ロゴは黒だったんです。ロゴは書家の方に描かれているものをそのまま使い、ショップツールをモノクロで考えられていて。酒商さんとのお仕事も、自分が作るものもモノクロが多かったんですよね。モノクロといえばTSUSHIMA DESIGNという事で、紙袋、ビニール袋、包装紙やテープ、名刺にショップカードなど、全部一式デザインさせていただきました。酒商山田さんの新しい紙袋はモノクロの線を使い、山田の「山」を錯視のような表現でデザインしています。遠くから見てもかなり目立つ紙袋になったと思います。

モノクロの持つパワー

実際私自身、モノクロという色は好きで大切にしている色なんです。人間が持っている色の捉え方に、白=昼、黒=夜、というイメージがあります。昼と夜の境目が、安心と恐怖の間のような、人間の心が一番集中する場所だと思っていて。平面の中の角=エッジ なんかもそうで、最も集中する部分ですよね。そういう意味でも、白と黒は一番目立つ色かなと思っています。だから最初は必ず白黒でデザインをしてから全体の造形を考えるようにしていて。色を付けるとそっちに引っ張らちゃうんですよね。全体をデザインした後に色を落としていくこともありますが、そのまま白黒の方がいいじゃん、という場合もあります。

世界でも評価された、線の表現

モノクロと同様に「線」を使った表現手法も自分は得意としていて、世界三大広告賞の一つである「One Show」で金賞を受賞した「へいわ」のポスターも線の表現で作りました。またJAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)の取り組みで、平和ポスターを作っていて。それは、たった1枚のポスターでも世界は平和になるんじゃないか、してみせようという自分の想いを1枚のポスターにしたためる活動で、毎年行っています。自分の中だけで思いを昇華するのではなくて、世界中の人に見てもらえたらという思いで、世界的なコンペティションへも出品しています。

広島に拠点を構えている意味

昔は広島って狭いなと思っていました。最近では海外の仕事も増えて、外に出ていくことが多くなって初めて分かったのが、広島って実はグローバルに通用するということでした。海外の人にとって、東京や京都に並ぶ場所の一つが広島なんです。原爆というネガティブなイメージもありますが、その焼け野原から復興した街だからこそ、人の強さや街全体が、前に進んでいく、というような強さがある。そういう強さを具現化した街だからこそ、世界を揺り動かしていく力を広島は持っているんです。当然、東京や大阪の方がいろんな意味で経済も街も大きいですが、その大きさでは測れない懐の深さが広島にはあると、外に出た今だからこそ、強く感じています。

目では見えない答えに気づいて、ひらめく

TSUSHIMA DESIGNの仕事としては、ブランディングという側面でグラフィックやウェブのデザインもあれば、アートディレクション、大学での教職、学校機関のブランディング、遊具デザインなど多岐に渡ります。そのすべてに、やはりキーポイントとなる部分があって、お客様の考えていることやプロデュースされている方の答えが、目には見えないけど、どこかにあるんですよね。僕はそういう部分に気づく「ひらめき」が、自分の仕事だと思っています。その「ひらめき」を目に見える形にどう表現するか、これまでにない形で表現して、世の中に届けていくことが、僕の役割だと思っています。

(平田様のフルネームをお聞きしたいです)
株式会社酒商山田
TSUSHIMA DESIGN

※PRテキスト80文字以内

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TEL
082-221-6228
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FAX
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WEB
http://www.tsushima-design.com/
従業員数
4名
創業
1995年
対馬 肇
アートディレクター

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