事例 こども文化科学館
こども文化科学館のお仕事は、宮島で個展をやったのがきっかけです。それを学芸員の方が見に来られて気に入ってくださって。このイラストで番組を作りたいのでイラストを描いてほしいと依頼をいただきました。その学芸員の方と、宮島に関する番組を作って、その後も別の担当の方の番組を2回位させていただいて、今回で5回目になります。
今回のご依頼は、プラネタリウムの映写で最初の解説の時に広島の写真がグルーっとでてくるのですが、そのパノラマの写真をイラストにするということでした。私にとっても初めての経験でしたが、プラネタリウムにとっても初めての事だったのではないかと思います。
どんな雰囲気の絵にするかを話し合って、とにかく子供たちに受けるようなもの、インパクトのある、子供たちがびっくりするようなものにしよう、ということになりました。描く前に、イラストのタッチとしてあんまりデフォルメしてもよくないし、そのままの写実的な感じも良くないよねというお話をしました。そういう細かい打合せもあったので、それに沿って描いたという感じです。わかりやすい、シンプルな絵にして、明るい感じで仕上げました。それでも、やっぱり間違いがあってはいけないので、ラフで描いたものを見てもらって、確認してもらいました。
私はイラストレーターというソフトを使い、マウスで直接描いていって色を付けていきます。写真を参考にしてそれを自分で考えて組み合わせて、うまくきれいに見えるように考えてから描きます。隅々まで描こうと思ったら、実際に見ないとよくわからないところもあるので、現場に行って確認できそうな所は自分で見に行くこともありますね。
パノラマもプラネタリウムでは立体的に映るんです。私はそのイメージが掴めないので、何回も聞きましたね。私の使っていたソフトではうまくその立体感を確認できなかったので違うソフトを借りて、自分の絵がどういう風に立体的に出るかっていうのを見て、なんとなくイメージが出てきました。
でも、昼と夜の場面があって、夜の場面は会場自身が真っ暗なので、これは絵がどういう風になるのかなって思いながら描いていたら迷いがでてくるんです。夜だから真っ黒真っ黒って、とにかく真っ黒になると、何も見えなくなるので、じゃ照明を当てたらいいのかなって思ったんですね。結局イラストレーターの操作で照明があたっているように仕上げました。
話し合って決めたのは、子供が喜ぶようなもの、ということが第一だったんです。でも、自分なりに、広島という場所で、子供が活き活きして、喜んでくれるようなイラストを描こうと思いました。それから、やっぱり広島の街が素晴らしい、っていう風にみられるようにって、描いてるうちにどんどんそんな気持ちになりました。最初の話から納品まで3か月位ですね。短かかったと思います。
納品後、実際に見て、スゴイなと思いました。こんなにでっかく、自分のイラストがみんなに見てもらえて、すごく嬉しかったです。お子さんの反応も良いみたいで職員の方も喜んでくださいました。この迫力をたくさんの方に見ていただきたいですね。
私自身の活動ですが、最近は専門学校の非常勤講師をしていますが、フリーのイラストレーターとしてイラストを描いています。描いているイラストは多岐に渡っています。おむすび屋さんのタペストリーや、宮島の桟橋に置いているポストカードなど色々あります。
よく聞かれるのがチラシのデザイン全体をやらないのかということなのですが、基本的にはイラストだけですね。イラストをデザイナーに渡して、全体のデザインはお任せする流れでお仕事しています。
コマーシャル制作などで実績もあるのですが、イラストを動かしてアニメーションを作る事もやっています。このプラネタリウムに関しては、イラストだけ納品して、動かすのは職員さんの方でされています。
広島に住んでいて、やっぱり平和に関しての活動や仕事が多いなと思いますね。毎年恒例なんですが、ヒロシマアピールズという日本の代表的なデザイナーがヒロシマの心を訴えるポスターを制作する活動や、平和ポスター展にもボランティアで参加しています。
今後もイラストレーターとして活動していく中で、広島だけではなく、もっともっとたくさんの方に、イラストを見てもらえるような機会が欲しいなと思っています。
人々が、時代それぞれに求めている何かを探し出し、注目させるオリジナルのビジュアルを追及し、動画、グラフィック関連等あらゆるメディアに使えるイラストを制作しています。