事例 横畠工芸ホームページ
安芸太田町にある横畠工芸さんが作る”戸河内刳物(くりもの)”。広島県指定の伝統工芸品なのですが、ホームページをお持ちでなかったので伝統工芸のリストには載っていても情報発信ができていなくて、詳しいことは伝わっていない状況でした。そこで地域の宝である”戸河内刳物”の魅力発信を目的に、安芸太田町商工会が窓口になり、IT化すると補助金が出る制度を利用して私にホームページ制作の依頼がきたのが始まりです。私自身、安芸太田町に住み、安芸太田町役場の臨時職員としてのお仕事もしています。この地域には魅力的な物がたくさんあるので、知られていない情報を正確に発信する事で、多くの方に来てほしいという思いがありますね。
横畠工芸さんにとっては初めてのホームページ制作なので、工房にノートパソコンを持参して、様々なデザイン事例や同業者の方のページを一緒に見ながらどんな雰囲気にするか、何回も話し合いました。一緒になって色々考えていただいて、こんな雰囲気どうですか、という対話を繰り返して、少しずつ作り上げていきました。刃物で木を削っていく際の力強さや工房内にある道具を見せたいとの要望を横畠工芸さんからいただいて、たくさんの道具を写真で見せることでこれらを駆使して作っている様子が伝わるようにしました。
技術的な事ももちろんですが、手作業で綺麗な刳物を一本一本魂込めて作られている点を伝えたいと思い、動画コンテンツも制作しました。作り方を実際に動画で見てもらう事で、機械ではなく手作業で作っていることがより伝わると思います。
地域のマラソン大会の運営スタッフをやっている時に作ったマラソン大会のWebサイトの評判が良くて、他の方からも作ってほしいという声をかけて頂いたのが私が今の会社を立ち上げたきっかけです。行政や商工会なども、ホームページで情報発信が当たり前の時代で、IT化が進んできています。この地域のお店をWebで検索しても何も出てこない状況があって、それは単にホームページを作ってないからなんですよね。「ホームページが欲しい」というニーズはあるのですが、どこに頼めば分からないという中で、この地域にホームページを作れる人がいるらしい、という口コミでお仕事の依頼が来ます。町内に僕のような仕事をしている人がいない事もあって、お声掛けいただくことが多いですね。仕事の大半は安芸太田町に関係するもので、他との差別化を目的にしたホームページというよりは、基本情報を発信するためのホームページを多く作っています。
この地域で私のような仕事をしている人がいないので、ホームページ制作は基本的にすべて自分一人でやらないといけない環境です。デザインだけではなく、ヒアリングはじめプログラムや、撮影、ドローンを飛ばしたり、制作後のフォローも含めて、何でもやっています。そういう意味では完全内製化で、外に頼まない分、お客様とのコミュニケーション面やコスト面で効率的にお仕事ができていますね。
あと、同じ町に暮らしているという、実際距離感も近いので、ホームページを作って終わりではなくて、他の事でも手伝ってほしいというニーズもあって、一人何役もこなすようなこともあります(笑)。
ホームページを作って情報を発信する事は重要なのですが、やってしまえばできる事、なんですよね。作った後に、それをどう活用していくかも重要だと思っています。例えば、ホームページで販売をできる体制を整えていく事もできますし、販売するなら梱包資材も必要になってきますので、そういうお手伝いもやっていきたいと思っています。また、ホームページを見て、興味を持った人を呼んできた時に、実際に来てくれた人が満足して帰っていただけるような体制作りも必要だと思っています。せっかく作ったホームページを何のために使うのか、お客様にどう使ってもらいたいのか、そういう事に意識を持ってもらえるようになるまでしっかりお付き合いしたいです。
Web制作会社経営、安芸太田町の臨時職員の他にもう一つ仕事をしています。大正10年創業の家業の時計店に勤務して、時計の修理をしています。腕時計の職人は若い人も多いのですが、掛け時計についてはなかなか職人が育っていない事もあり、広島県内には8人のみ。時計店のホームページをご覧になって、おじいちゃんの頃から使っている時計を治してほしいなど、県外からの仕事も多くあります。この伝統を守りながら、町の人たちのニーズに応えていく仕事をして、それが町の活性化にもつながるといいなと思っています。
WEBサイトの制作から、印刷物のデザイン、撮影もビデオ、写真、空撮まで、一人でスマートに制作しているデザイン事務所です。
広島県山県郡安芸太田町加計3440-1 (時工舎時計店) 内