事例 ハルコレギフトパッケージ
ハルライトワークさんは、ハルコレというECサイトを通じて販売するクリスタルのサンキャッチャーなどの商品のパッケージを考えておられて、私のイラストを知っている共通の知人が、イメージに合うんじゃないか、という事で代表の重川さんに紹介してくださいました。重川さんは、これまでも自社でパッケージをデザインして作られていたのですが、商品をお届けしたお客様が買ってよかったと心から思えるような、感動するようなものにリニューアルしたい、というご依頼でした。今回は1つのアイテムのデザインというより、ハルコレで扱う商品全体に関わるイメージのデザインという形で関わらせていただいて、そのイメージをお渡しし、社内のデザイナーさんがそれを使っていくつかのアイテムに展開してくださいました。クリスタルの商品といっても、大中小様々な商品があり、それらが入る箱のデザインと、パッケージと共通のイメージを用いた説明書も作りました。
メインの商品はクリスタル。クリスタルが光に当たると周りに虹色の模様をキラキラと映し出して、すごく綺麗なんです。部屋全体に光が映る様子はちょっと感動しますよ。そのイメージをイラストに落とし込みたいと思い、商品をお借りして、光にかざしてどんな色が出るかを確認しながらデザインを進めました。
心がけていたのはあくまでも商品が主役だということ。箱を見た時は、これはなんのイメージなんだろう、とワクワク感を持っていただき、箱を開けてクリスタルが見えた時に、キラキラとした輝きが目に浮かぶような、パッケージと中の商品がリンクするようなイメージに仕上げました。箱の中にもパッケージと同じ絵を入れて、サンキャッチャー越しにもイラストが見えるようにしているんですよ。
パッケージにかけているリボンは、重川さんからの要望なのですが、リボンの太さや結び方などを一緒になって考えていきました。このリボンのかけ方にもものすごくこだわったんですよ。普通のリボンだと郵送する際に崩れたり、ペチャっと潰れたりするんですが、いかに潰れない、きれいなリボンを作るか、という所は、重川さんがリボンやパッケージの講師の先生に相談に行かれて、試行錯誤されながら開発していました。それを今ではスタッフさん全員がマスターして、綺麗にリボン掛けできるんですよ。
このパッケージをデザインをする上で難しかったのは、箱自体の作りでした。インターネット販売がメインなので、宅急便で発送することを考えて、中の商品が動かないように固定しないといけないんですよね。その部分は、私ではなく、重川さんが箱を作る会社と一緒になって考えられていました。箱を開けた時に崩れていたり、傷がついていたりするとクレームにもつながるので、ものすごくこだわって箱の仕組みを作るのに時間をかけられたみたいです。
お客様によっては、全部こちらで決めてほしいというオーダーもありますが、重川さんは買ってくださる方の思いをすごく理解されていたので、私に多くを依頼されてデザインしたというよりは、一緒になって考えて進めていきました。重川さんが積極的に、進んで自分でなんでもやっていくというスタンスでしたので、イメージの共有や進行自体もスムーズに進みましたね。
素敵な商品を、より素敵に伝えるためのお手伝いをさせていただくのが私の役割だったと思います。パッケージを素敵にしたい、というところがスタートなのですが、なぜそうしたいかというと、買っていただいたお客様に喜んでいただきたいからですよね。商品を受け取られた方が、ハルコレでお買い物をして良かった!とか、大切な方への贈り物にしたいな!とか、そう思っていただけるような商品を作りたいという重川さんの思いがあって、そいういう思いが企業のイメージにつながっていくと思います。パッケージひとつですが、そこにこだわられることで、商品の印象や企業の思いが見えてくるなと感じました。
私は絵を描く、というアーティスト活動をしていて、その活動をしているからこそ、自分の絵のタッチやテイストを先に知っていただくことができています。絵を見ていただいてからのご依頼がほとんど、というかほぼすべてなので、今回もお互いにイメージの共有ができていたと思います。もちろん、何を売りたいか、どんな商品か、ターゲット層はどこか、一番伝えたいことは何かを伺って、細かく詰めていったので、重川さんの思いとズレなく進めることができたと思います。絵を描くという、自分発信のものがあるからこそ、お客様のものづくりのお手伝いもできている。今後もそのバランスを保って、アーティスト活動とグラフィックデザインのお仕事をしていきたいと思っています。
「飾る場所の、そして持ち主が心地よくなる絵」をコンセプトに絵を描く。
個展原画展示販売、オーダー原画制作、多業種のイラスト制作、印刷物などを手がけています。