nomenaの武井祥平さんをお招きしてセミナーを開催しました。
当日は、デザイナーや企業の方など多くのご参加をいただきました。
今回のテーマは「エンジニア思考が引き出すデザインチームの創造性」。
武井さん自身の生い立ちやnomenaがこれまで手掛けて来たプロジェクトやその過程についてなど、幅広くお話をしていただきました。
nomena
2012年、武井祥平氏により設立。日々の研究や実験、クリエイターやクライアントとのコラボレーションを通して得られる多領域の知見を動力にして、前例のないものづくりに取り組み続けている。近年では、宇宙航空研究開発機構JAXAなど研究機関との共同研究や、東京2020オリンピックにおける聖火台の機構設計などに参画。
デザイン、建築、工学など、様々な知見をもとに前例のないものづくりを行うnomena。「その表現を実現するための技術」をつくることがnomenaの在り方であるといいます。
一昨年、東京・原宿にて開催された展覧会にて時計メーカーであるセイコーと協業した作品「時計の捨象 #01」について、その特徴や制作の背景をお話していただきました。
「水に浮かび、針の動く速さや回転方向を自在に調整できる様子がまるで生き物のようにも見える。」(武井)
「時間を刻むこと」という腕時計の本来の機能を無くしたときにセイコーのものづくりの本質が見えるのではないかという発想と、クライアントの「若者に、腕時計に興味を持ってもらえるような展示がしたい」(現代はスマホで時間が確認できることもあり、腕時計を身に着けない人が増えている。)という想いを具現化した作品です。
その他にも、東京2020オリンピック・パラリンピック聖火台の機構設計など様々な作品の詳細を伺うことができました。
ものづくりには「デザイン思考」と「エンジニア思考」という2つの考え方があり、プロジェクトを進める上で、異なる思考を持った両者が初めの段階でイメージをすり合わせることが大切だと言います。
デザイン思考とは、「物事がどうあるべきか」と『理想』から考えるのに対し、エンジニア思考は「なぜこうなっているのか」と『原理』の部分から考えることです。」(武井)
エンジニアにとっては、デザイナーが理想に向かって「とにかく手を動かす」ことを加速するサポートが重要であるとのことです。
また、セミナーの最後に設けた質問コーナーでは、プロジェクトに関する技術的な質問やクライアントとのコミュニケーションのコツなど、幅広くご回答いただきました。
と、つくるを運営する広島市産業振興センターではデザイン講習会はじめ、年3回程度のセミナーを開催しています。セミナー情報については、当サイトやフェイスブックページで随時お知らせします。