事例 「ブルーカーボン」事業紹介
今、気候変動や地球温暖化などの環境問題は、世界的に取り組まなければならない課題です。日本政府は2050年までに脱炭素社会を実現し、温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表しています。こういった課題に積極的に関わっていくことは企業としても求められていることですよね。今回のクライアントである中電技術コンサルタント(以下「中電コンサル」という)さんが始められている取組が「ブルーカーボン」事業。まだ一般的には聞きなれない「ブルーカーボン」を、まずは知ってもらいたいということで、事業紹介動画の制作をご検討されていたところ、知人の方からのご紹介で依頼いただきました。
最初の打ち合わせでいただいた資料は色々と難しい内容が書いてありましたが、ブルーカーボンを端的に説明すると、海の資源を使ってカーボンオフセットする取組のこと。藻場が二酸化炭素を吸収し、炭素は藻の栄養となり酸素は空気中に排出してくれることで二酸化炭素の削減につながります。まずは自分自身がブルーカーボンについて知る必要があるので調べている際に「グリーンカーボン」があると知って。森林が二酸化炭素を吸って酸素を出すことは、小さい時から習って知っている当たり前のことですよね。誰もが知っている「グリーンカーボン」を先に説明したら「ブルーカーボン」のことを理解してもらいやすいと思い、全体の構成とストーリーを提案させてもらいました。
全体的な構成は、提案した内容でほぼOKいただき、日本で先駆けてブルーカーボンをスタートさせている横浜市との連携部分は一部修正をもらって映像を作っていきました。一番の問題だったのが、ちょうどコロナ禍が始まった頃で、撮影が一切できなかったこと。苦肉の策で、素材を購入したり、ドローンの映像などは昔撮影した映像を引っ張り出してきたり、使用していなかった過去の素材などを組み合わせて、映像としては綺麗につながったものができました。
その他、ブルーカーボンの説明は、絵コンテでご提案したイラストをアニメーションさせて分かりやすく説明しています。
動画の尺としては長くなりすぎるとスキップされがちなので3分程度でまとめました。当初、中電コンサルの担当者さんが説明会等でプレゼンテーションする際に見せるものと伺っていたので、映像を流しながら、言葉はその場で話してもらえるようにナレーションなしのイメージ動画で作成しようかと思っていました。今回のプロジェクトリーダーである中電コンサルの水木さんはじめ担当の方と話を詰めていく中で、YouTubeでも見れるようにしたいという要望があったので、説明ナレーション付きの映像に仕上げました。ナレーションは水木さんの知り合いの広島のタレントの方にお願いしています。制作期間はトータル約2か月で、比較的短納期でしたが、中電コンサルチームの方々とのやり取りが本当にスムーズで、質問に対するレスポンスが速く、大変やりやすかったです。
この「ブルーカーボン」は、中電コンサルさんとしてもまだ始まったばかりの新規事業でもあり、企業としてSDGsに取り組んでいるアピールでもありました。今後、作った動画を見て興味を持ってくれた地域や行政、企業や個人と一緒になってブルーカーボンに取り組んでいきたいという意思表示でもあります。こういう取組は概して他人事だと思われがちなので、自分事にしてほしいというメッセージを込めて、映像の終わりに「私たちの物語」というコピーを入れたんです。水木さんがその言葉をとても気に入ってくださったのが嬉しかったですね。
藻場が育つ環境を増やす取組で空気がきれいになると、海もきれいになり魚も戻ってくるという循環で、包括的に見て地域の活性化にもつながります。確かにブルーカーボンは地域貢献、社会貢献という側面が大きいですが、中電コンサルさんは企業活動をされているので、単にブルーカーボンが温暖化防止につながることをうたいたいのではなく、事業として成り立つようにさせることも今後の課題。そのあたりはきちんと考えられているので、このPR映像で、まずはたくさんの方に「ブルーカーボン」の重要さを知っていただき、取組事例が増えることにつながればいいなと思います。
自分的には、この取組が継続的に発展することで、地域がどう変わり、周辺の方がどう幸せになっているのかを映像化した続編が作りたいなと、今後に期待しています。
僕の仕事としては、映像専門の制作会社として、主に企業や自治体から制作のご依頼をいただいています。今回のような大企業の映像制作も多いですが、中小企業や個人事業主の方の実績も多いですね。映像のテーマとして多いのは3種類あって、一つは採用、二つ目が企業紹介。そして三つ目が新事業の説明で、今回の事例は三つ目に当たります。新しい取組を積極的にされている企業さんと関わる事は、自分自身にとっても良い刺激になっていますね。
ありがたいことに、2015年から数えると大小合わせて約300本の制作実績があり、自分でも驚いています。それだけ、今の時代は映像で伝えることが重視されていると思います。ドキュメンタリー、フィクション、インタビュー、イメージ動画など、作り方は様々ですし、今は誰もが動画を作れる時代。そんな中でも、新しい取組をストーリー付きで共感できる形で映像化できるのは、自分たちの強みだと感じます。広島を拠点としているので、今後も広島に関わる色々な事業や街づくり系などを紹介するような動画を作っていきたいですね。
映像の企画から構成、撮影、制作まで、ワンストップの制作体制。会社紹介、イベント・プログラム紹介のドキュメンタリ、インタビュー映像、TVやWeb用のCMの映像などを制作しています。