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効能と素材の
良さが伝わる
素朴なパッケージ
事例 野ノ湯
社会福祉法人ひかり会広島ひかり園
障がい者支援施設
tofukuro
グラフィックデザイン

INTERVIEW

雑貨屋さんに商品を置くために、パッケージをリニューアル

「野ノ湯」は、廿日市にある福祉施設、ひかり園さんの作っている、お風呂に入れて楽しむハーブの袋です。初めてひかり園の日向さんにお会いしたのは、廿日市で女性のお仕事支援のイベントがあった際にひかり園さんが出展されていた時です。私がそのイベントのチラシを作っていたんです。イベント当日もお手伝いで行っていて、日向さんのブースの臨時的にだったのですが販売のお手伝いもしました。
そのイベントで、宮島の雑貨屋・zakkaひぐらしさんが、ひかり園さんの「野ノ湯」をお店に置きたいけれど、パッケージがもうちょっとおしゃれだったらいいなというお話があって。
日向さんから「中身がすごくいいもので、施設の皆さんが一生懸命作っていらっしゃるものだけど今一つ売れない。せっかくいいものなので、それが伝わるデザインにしたい」ということでご依頼がありました。

あえて地域の名前にこだわる

園の人達は最初デザインをリニューアルする前の商品を、廿日市で作っているので「宮島」をモチーフとして入れたらいいのではと作られたとのことでした。
ただ、素材は園のご近所の農家さんや園で作られているもの等が多く、あえて廿日市そのものをうたったらどうですかという提案させていただきました。この商品の中身の8割くらいは廿日市のもの、あとの2割くらいが瀬戸内のものだったりするんですけど、そこまで廿日市にこだわっているのに、宮島のネームバリューを使う必要は無いんじゃないかと。
この場所ありきというか、廿日市という名前を出していきたかったんです。

素朴で良い商品を伝えるためのネーミングとデザイン

ネーミングに関しては結構難航し、デザインする過程でかなりやり取りしました。
もともとあった最初のネーミングは「野ノ湯」ではなくて「なな湯」だったんです。だいたい植物が7種類位入っているのと、7は縁起がいいから、ということでの商品名だったのですが、ちょっと伝わりにくいかなと。
実は担当の日向さんは植物の勉強を専門にされて来た方で、それぞれの植物も薬効効果の高いものを選んでらして、決して適当にブレンドされている訳ではありませんでした。植物に対する愛情を感じ、せっかくならその部分ももう少しお客さんに伝えられたらと思って。
自分が買うとしたらもっと素朴でありながら、その自然の山々を少し感じられる様なものがいいのではないかと「野の湯」を提案させてもらいました。実際、ひかり園さんは廿日市市の永原という自然豊かな所に在ります。
商品名が決まってからは、そのイメージに合うような麦わら帽子をかぶった女の子のイラストや、実際に入っている植物のモチーフをひぐらしさんの売り場も具体的に想定し、お客さんの層も絞って描いていきました。そこからは早かったですね。手描きのタイトルもイメージがくっきり見えている感じでした。
パッケージデザインは、言葉では言わないけど体に良いことが感覚的に伝わるように、昔の薬袋のイメージをデザインの起案として、商品が持っている素朴さを表現しています。

高いけどほしいと思わせる商品づくり

値段に関しては雑貨屋さんの意見も聞いて決めました。ひぐらしさんでは、価格が高いから買わないのではなく、価格に妥協しないけれど欲しいと思わせる店づくりをされているんですよね。そういうお店と生産者を結べば、価格が高くても買ってくださる。「安くても良い商品です、買ってください」とすると、一見間口が広がったように見えますが、逆にちょっと高くても良いものが欲しいという人は素通りしてしまいます。
また、これまではひかり園さんは場所を選ばずに販売されていたのですが、おしゃれなセレクトショップといったところに限定して販路も絞り価格を上げました。ひかり園さんにとっては、デザイン料もかかり、単価も上がり、個数も減らすので、最初は「ええっ!」と戸惑われたのはあったと思います。
販売がスタートして結果、年間売れる数はかなり上がったので私もとても嬉しく思っています。

福祉施設で作っている事を売りにはしない

この商品を見て、いいなと思って買う人が2次的な理由で福祉施設が作っているものだと気づく事はあると思います。別にそれを言いたくないわけではありません。ですが、他の商品と比べても良いものだから、ちゃんとした土俵で勝負したい、と思っています。
ただ、こういった施設でこういう素晴らしい商品を作っているということを知ってもらうことは大切だと思っています。ひかり園に初めて行ったとき、すごく風通しが良くて、皆さんがそれぞれのお仕事を一生懸命してらっしゃって。
自分を生かせる場があるのは本当に素敵だな、とその時深く感じたんです。ものをつくる、自分の出来る仕事をそれぞれがする、仕事をつくる。それぞれが生きる、ということを私が教えていただいています。

生産者さんのことも考えた、生産から販売のサイクルづくり

最初、商品ができたらとにかく販路もどんどん見つけて色々な所で売って、売り上げを上げていければいいと思っていました。しかし、福祉施設の商品というのは、生産者さんのスピードもきちんと考えなければいけないと知りました。
今回、作る人、売る人、売る場所、買う人を自分の目でみながらお仕事ができたので、自分にとってもすごく良い勉強になったと思います。良いものを作って、販路を絞って、適正価格で売るというサイクルを回して、ひかり園のみなさんの作ることやお仕事に少しでも貢献できたらなと思います。

日向 典子
社会福祉法人ひかり会広島ひかり園
tofukuro

広告や雑誌の挿画やオリジナルの原画を使ったパッケージデザイン、ロゴ作成など。お客さんや商品の背景を知るため、話し合いを重視したものづくりをしています。

広島県廿日市市
TEL
090-8068-6419
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