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同じ品種の中での
パッケージの
差別化に挑戦
事例 岸根栗
平地
栗農家
株式会社スタジオダーウィン
グラフィックデザイン

INTERVIEW

自分の栗が区別できない、栗農家が直面している問題

岸根栗は、岩国市の美和町の特産品で、広島ではあまり知られていませんが、地元では知らない人はいない有名な栗です。この栗は、生産量も収穫の時期も限られていて、果実は30g以上という、和栗では最大級の大きさがあります。甘味がありとても美味しい栗で、天皇陛下にも献上していたといわれています。
この栗を販売する際、栗農家さんが自分で販売所に持ち込むのですが、栗を詰めるものはどこの農家さんも同じ赤いネットにいれて、岸根栗というブランド表記で売られているんです。そうすると、どこの農家が作った栗か分からなくなる、というのが問題点でした。岸根栗の農家さんはいくつかありますが、今回は農協などの大きな枠組みからの依頼ではなく、佐伯さんという一生産者さんからのご依頼でした。自分の栗と他の生産者さんの栗を区別するために何とかしたい、それを解決するためにはどうしたらいいかと悩まれていて、たまたま僕の身内が同じ町内にいたので、困っているからちょっと相談をしたいということで声をかけていただきました。

商品が売れないのではない。作ったという証がほしい

今回のケースは非常に珍しいケースで、商品が売れないから困っていて何とかしたいのではなく、すぐに売り切れてなくなってしまうんだけど、自分が作ったという「証=しるし)」が何もない、というところが悩みでした。他の農家の栗と区別するためには何が問題かを話していく中で、地元の方は岸根栗というブランドを構築してきたのに、それをきちんとPRできていないことが分かりました。
これはもったいない、ということで、まずはブランディングをしましょうとお話ししたところ、佐伯さんは「ブランディングとかよくわからんけど・・・」といいながらも、やってみようとおっしゃってくださいました(笑)。最初はここからやらないと岸根栗というブランドが伝わらないですからと、ブランディングについて農家さんに少しづつ説明しながら、岸根栗の文字と栗を表すシンボルを作って、色々とデザインを提案させてもらいました。

要望は1点だけ。要望を満たす試行錯誤が大事。

デザインに関して、佐伯さんの要望は「簡単に開けられて中身が確認できること」の1点だけでした。栗って最初は綺麗だけど長く置くと虫がついてしまうんです。傷んだ栗を見つけて直ぐに取り出せるように、パッケージが簡単にあけられるものというのが絶対条件でした。
最初は、ホッチキスで止めた提案をしたら、取り出せないからダメということでした。
結局、相談を受けてからデザインができるまでに、半年位かかりました。袋の材質とか、透明な袋だったり、白い袋だったり、最初はいろいろ調べましたね。最終的には紙袋が安定的に供給できるということで、特殊な紙は選びませんでした。
ここにたどりつくまでには、防水機能を持たせようと思って、アイロンで蜜蝋を染み込ませてみたり、色んな条件も考えたりしました。でも結果的には、防水はいらないことになりました。完成にたどり着くまでにデザイナーは、こういった時間をたくさん費やしているんですよね。

一つの農家が変わることで起こった他の農家への波及効果

佐伯さんのパッケージを変えてから、気が付くと他の農家さんの栗にも色々なパッケージが出てくるようになりました。おもしろいのは栗を使ったまんじゅうやスイーツにも似たような状況が生まれて、良い波及効果が出ていると思います。一農家さんの商品が、突然赤いネットから紙袋に変わった事で、他の生産者さんも、文字だけでは伝わらないという、ビジュアルコミュニケーションの力を感じていただけたのではないかと思いますね。でもそれがいいと思って他のみなさんも気づかれたということはすごく評価できることだと思っています。それまではこの栗は普通に売れているし、商品もいいから、これ以上いいやと思われている方がいっぱいいたからです。でもそここそが開拓する場所だと思います。
今回佐伯さんと一緒にお仕事させていただいて、一農家さんに自分の商品をきちんと区別したいという思いがあるということや、潜在的にそういう方がいらっしゃるということがよく分りました。こうした生産者さんのニーズに答えられるようなデザイナーになれればいいなと思っています。

デザイナーとして大事にしていること

いくらデジタルで素晴らしいものができたとしても、最終的にはインクを使って紙に印刷するので、最後はアナログ作業なんです。最後の最後に色の指示とか、紙を選ぶとか、印刷会社さんとの信頼関係が重要になってきます。あの印刷ならここの印刷屋にしよう、とかそういった引き出しを持っておくのもデザイナーの重要な部分だと思います。これってどこに頼んだらいいかなとか、日ごろからそういったアンテナを張っておかないといけないし、色々な方とのお付き合いと信頼関係を築いておくことは大切なことだと思っています。
あと、いいデザインをして終わりではなく、他の商品と類似していないか調べるといった作業や、似ているのならどういう形でなら使用できるのかといった確認も大切。意匠に関する確認作業というのも、僕はデザイナーの重要な仕事だと思っています。世間にものを出すということはそういうリスクをはらんでいるし、誰がそのリスクを負うのかというリスク配分、リスク分散、リスクコントロールはとても大事です。

ぜひ夢を持ってご相談に来てほしい

家を建てる時って、夢があってワクワクするじゃないですか。パッケージを作ることは建築家が家の設計をするのと同じように考えています。クライアントの夢を色々伺って、こういう形にしていきましょう!という話をしていきたいですね。ですからクライアントにはどんどん夢を語っていただきたいですし、自分達がつくったものに自信をもって来ていただきたいです。自分自身、遊び心が入ったアイディアを形にするのが得意なので、パッケージと言う広告物なんだけど、どこかにアートが含まれているようなデザインを提案していきたいと思っています。

スタジオダーウィン

グラフィックデザインは中国語で「平面設計」といいます。
私は「夢にカタチを与える仕事」であると考えています。
ご相談は夢の時点からいただく場合が多いです。
その後話し合いながら企画・試作と進めます。

広島市安佐南区大町東三丁目12-58-1
TEL
082-877-5939
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FAX
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WEB
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従業員数
1名
伊達 成朗
代表取締役 グラフィックデザイナー

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