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県央の豊かさを
プロバンスに
例える取り組み
事例 セントルマルシェ
広島県央商工会
商工会
Peace on the table
グラフィックデザイン

INTERVIEW

県央に若い人を呼び込む、地域活性化事業のはじまり

広島県の中央に位置する東広島市の豊栄町・福富町・河内町は県央エリアと呼ばれている地域。依頼主の県央商工会では、商工会員さんが減りつつあり、高齢化による廃業や人材不足で事業継承ができない等、地域の活性化が大きな課題となっていました。
そこで県央商工会さんが3年の事業計画で伴走型支援事業に取り組まれていました。1年目は地域産品のデザインを整えて売っていくという事業だったそうですが、担当の方が「このままでは本当の意味での地域活性につながらない」という危機感から、残り2年分の実施を依頼されました。とはいえ、3年の事業計画であらかじめ設定されていたものもあり、それが年に2回のマルシェでした。

地域の豊かさの再発見から生まれた、県央プロバンス計画

事業の大きな目的は、いかにして地域に人を集めるか、そして来てくれた人たちがこの地で生計を立てる生業の種をまくことでした。どう進むべきか何も指針がないまっさらな状態の中で、新しいことを考えないといけない。そんな状況でひらめいたのが「県央プロバンス計画」でした。
プロバンスは南フランスにある地方ですが、日本人からすると何かオシャレな感じがしますよね。フランスに長く住んでいた友人と福富町を訪れた時に、低い山に点在する赤瓦の家々が広がる風景がプロバンスに似ていると言われたんです。風景もそうですが、こだわりの野菜を作っている農家さん、パン屋さん、りんご園もぶどう園もある。田舎ならではのお味噌を自分たちで作ったりする暮らし方は、プロバンスのスローライフとつながるんですよね。人を呼ぶためにはこの地域に素敵な旗を掲げないと誰も来てくれません。そうやって、プロバンス計画を王冠にして、セントルマルシェという素敵な旗を掲げることで、地域の外からも若いファミリー層を呼び込もうというプランです。

最初から高かったハードル

とはいえ、地域の事業者さんたちへ「県央プロバンス計画を実行します!」と言っても、最初は皆さん「なんじゃそりゃ?」という反応でした(笑)。風景やスローライフが似ていると言われてもフランスを知らないからさっぱり分からないとか、たくさん反対意見もありました。その当時、今までもいろんなことをやってきて、もう何もやりようがない状況に地域が来ていたのは事実で、皆さん閉塞感があったような状況でした。それでもやらなければ何も始まらないし、衰退していくだけ。
瀬戸内海が地中海と言われ、中国山地が広島アルプスと言われるなら、県央プロバンスだってありですよね。進めていけば、プロバンス地方のように自給率120%の地域を目指せるポテンシャルが十二分にあるのにやらないのはもったいない。商工会や地域組織の上層部の方の説得もあり、なんとか了承を得て、地域の事業さんたちと共に計画を進める体制が整っていきました。

コンセプトに沿って、何もないところから手作りで

6月に県央プロバンス計画をコンセプトにセントルマルシェをやると決まってから、2か月後の8月には第1回目のマルシェ開催ということが決まっていました。前例もまったくない中で夏の熱さを避けてのナイトマルシェを計画したのですが、時間もないから本当に準備は大変でした。最初はプロバンスをテーマにすると言っても地域の人には分からないので、説明する書類を作って参加される事業者さんへ1件1件説明して回りました。「心と身体と大地に優しいものづくり」というイベントコンセプトを掲げて、土に還らないものを使わないようにとか、包材もなるべく紙にしましょうとか、プロバンスが大きなテーマなので参加されるパン屋さんには、プロバンス風のサンドイッチであるパンバーニャの作り方を指導したりもしました。

場所はきこりやさんという、木材加工業の工場でやったので、什器もない、看板もない、何もない状態から、まず道具を片付けるところから始めて、駐車場の整備、机や椅子を作ることもやりました。まさに何もないところから始めた手作りのイベントです。終わった後は、達成感というか、何というか、じわっと涙が出てきちゃいました。その結果、目標の1000人を上回る1300人の集客につながって、驚きと共に本当に嬉しかったです。

事業の成功から見えてきた、地域デザインのパワー

マルシェのビジュアルにおいては、告知チラシ、当日掲げるポスターや看板も含めて、全て統一したイメージで展開し、SNSでも発信しました。それによりマルシェのイメージが感覚的にも伝わり、期待感を高められたので、集客につながったと思います。グラフィックデザイン、ウェブデザインなど、カテゴリとしてのデザインは色々ありますが、「地域デザイン」ってこういうことなんだと強く実感しましたね。私自身、このイベントの方向性が見えてきた第1回目のマルシェでしたが、事業者さんたちの意識もかなり変わりました。これまでされていたイベントとは違い、地域内地域外からも若いファミリーがたくさん来てくれたことで、この地域の魅力を再認識できたんです。そうなると、お仕着せではなく、自分たちの力で何かを作って売ってみようと思い始めて行動される方が増えるという好循環が生まれてきました。

変わってきた意識と見えてきた今後の目標

この地域には来てもらったら楽しめる、例えば乗馬やピザ作り体験のようなコンテンツがたくさんあるのに、待っているだけで、外に出ていく人は少なかったんです。だから、商品を営業マンにして外に出すことで、商品自体で口コミを起こす仕組み作りも事業の一つにしています。広島市内だと三越さんや東急ハンズさんなどで、セントルマルシェのポップアップショップを出して商品を売る場所、告知する場所を展開しています。イベントが定着し、商品を売る場所もできたので、次の目標として、地域商社を作るという段階に入っています。外に出て売るためには誰かが地域の商品を集めたり、プロデュースしないといけないので、そういう人材を全国から募って、移住してもらうという流れです。移住してきた人の周りに、また人が来るような流れを作る計画を進めて、人・商品・経済が上手く回るようにしながら地域全体を活性化していくことが今後の目標です。

いつも根っこにあるのは 「地域が豊かになるものづくり」

私自身はいわゆるブランディングと言われているお仕事がメインで、商品設計から販路開拓まで、特に1次産業者の6次産業化(※)のサポートが多いです。今回のように、事業者さんの所属する商工会や6次化ネットワーク、農業法人と一緒になって、地域全体が豊かになるにはどうすればいいかを考えるところから入らせていただきます。商品は企業の優秀な営業マンであり、地域を発信する観光大使でもあると考えているので、商品パッケージや印刷物もそういう視点を持って作るように心がけています。
私の実家が農家なので、実体験から事業者さんたちの気持ちや大変さはよく分かるんです。これからも自分の経験を基に、地域の資源を活かすアイディアやデザインで、地域全体が豊かになれる”ものづくり”を伴走しながらお手伝いしていけたらと思っています。

※6次産業化

農林漁業者(1次産業)が、生産物の価値を上げるため、農畜産物・水産物の生産だけでなく、食品加工(2次産業)、流通・販売(3次産業)にも取り組み、それによって農林水産業を活性化させ、農山漁村の経済を豊かにしていこうとすること。

Peace on the table

1次産業とその6次化事業の商品開発から販路開拓に必要な様々な課題(資金調達・レシピ・デザイン・パッケージ・販路)をワンストップでサポートします。

広島市東区牛田中2丁目2-19-103
TEL
082-836-7456
082-836-7456
FAX
082-836-7462
WEB
http://local-design-labo.com/peace-on-th
従業員数
1名
創業
2014年
清水 早苗
プロデューサー

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