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協業から生まれた
木の香りを楽しむ
プロダクト
事例 木聞器 - KiKiKi
松葉製作所
木型製造
HEREDIA KOMIYAMA
プロダクトデザイン

INTERVIEW

木から木が生まれるイメージを大事にした新商品の開発

数年前にあるコンペで「木の持つ魅力を引き出す新しい商品開発」というお題に応える感じで、私たちが木を削って香りを楽しむ商品を提案して賞をいただいたことが、木聞器が生まれたきっかけでした。その際は商品化には至らなかったのですが、自分たちでもこのアイディアがとても気に入っていて、実際に形にしてみようという話になったんです。
デザインした形状を、3Dプリンターで試作しながら改良を重ねて、今の原型となる形を作りました。試作ができたので商品化を目指して木工関係の会社に何社か掛け合ってみたのですが、削り器を全部木で作るのは難しいと言われるんです。鉛筆削りを器の中に入れるならできるとは言われるのですが、それでは自分たちの思いとは違ってきてしまう。最後の賭けという気持ちで紹介してもらったのが松葉製作所さんでした。

ターニングポイントとなった、松葉製作所さんとの出会い

松葉さんは創業以来70年に渡り、鋳造用の精密な木型制作をされている会社さんで、現在ではその技術を生かして木製iPhoneケースを作られています。これまでどこの会社からもできないと言われ続けた、刃の部分だけ鉄でそれ以外は木製の削り器を作りたいと話したら、「できますよ!」と言われて。とても嬉しい驚きと共に、松葉さんの技術力の高さを感じましたね。
さらに、松葉さんは長い間木を扱う仕事をされる中で、木そのものの良い香りを伝える商品は初めてだと感動してくださって。これまでの状況から一転、松葉さんとタッグを組んで本格的な商品化に向けてスタートしました。

木の持つ魅力を再発見する、これまでにない商品

木の商品自体、日本人の生活にはすでに山ほどあるんですよね。木の魅力って何だろうと考えていた時に、自分が建築の仕事をしているのもあって、新築の現場に行くととても良い香りがすることを思い出しました。鉄やガラスなどの素材とは違って、削ることで自然の香りが漂うのは木ならでは。木の種類によってかぎ分けると香りに違いもあります。形状で木の魅力を表現するよりも、もっと原始的な、木が本来持っている魅力は香りなのではないかと思ったんです。そして木を削るといえば子供の頃に使った鉛筆削り。そんな風に木を削って自然の香りを楽しむ商品があったら面白いと思ったのが発想の原点でした。

技術者と共に試作を重ねたからこそできた、進化

鉛筆削りのように削って楽しめるなら、大工さんがカンナで木を削った時のフレッシュな香りがいつでも楽しめるのではないかと思い、試しに鉛筆削りにかけてみると、削りクズが花びらのようにフワっと広がったんです。鉛筆のように芯がないから余計に花状に広がって、このクズ自体もいいなと。やってみて知った副産物でしたね。ヒノキやヒバなどは密度が高いのできれいに花が咲きますし、逆にスギはヒノキほど密度が高くないので花にはなりにくいですが、それも含めて木の個性を楽しめますよね。
松葉さんには、この削り心地を含めて、木の形状や刃物の角度などを精密に調整してもらっています。最初の原型はもちろんありましたが、松葉さんと何度も試作品を作って検証し、また試作を作ってと何度も形状をブラッシュアップして今の形にたどり着きました。素材に関しても高級家具の素材を使用して作る松葉さんのスタンダードの材を使い、加工しやすいベストのサイズ感で製作してもらって、木聞器が完成しました。

木聞器は、自分たちの名刺代わりのプロダクトとして育てていく

完成した商品をどう販売していくかは、ロゴやパッケージなどグラフィック面でサポートしていただいているd&b,セキウラデザインの関浦さんを含めた3社で話し合いながら進めています。商品の製作過程でも意識していますが、木聞器がどういうお店に置かれてどんな方に使っていただくかという販売戦略の立て方は、自分が売る側になってみて分かることも多いですね。木を削って香りを楽しむという新規性のある商品なので、作り手の背景と共に、良い香りがしそうなビデオを作ってウェブに掲載するなど、色々工夫して商品の良さを伝える努力をしています。
販路拡大のために展示会にも出展しており、少しずつですがコンセプトに共感してくれる店舗や旅館などに置いていただけるようになってきました。最近では東京ミッドタウン内の家具ショップとのお取引が始まりました。結果が出るとやはり手ごたえとして感じられるので嬉しいですね。
松葉さんとは制作の面だけではなくて、販路についてももちろん、何か動きがあるとすぐに相談してコミュニケーションをとっています。デザイナーと技術者という関係をこえて、一緒に戦っている同志という感覚です。生まれたばかりの木聞器を、今後もチームで一緒に育てていきたいと思っています。

カルチャーミックスの視点で提案する、空間とプロダクト

HEREDIA KOMIYAMAは、スペイン在住メキシコ人のHerediaと、広島生まれの私の二人のデザイン事務所です。国籍の違う二人がカルチャーミックスという形で日本人だけでは気づかないような点をご提案できることは強みだと思います。私は建築の仕事が長いので、建築のコンセプトや理念をヒアリングして空間に落とし込む際に、一緒にロゴや看板、グラフィックなどに展開するという流れで、トータルでお仕事をさせていただくケースも多いですね。
広島県は、山々に囲まれつつも瀬戸内海という自然豊かで変化のある環境に恵まれている土地で、いわゆる全国的に有名な一大工芸産地ではないですが、様々な種類の技術や産業が発展している県だと思います。そういう技術力にデザインを取り入れることで新しい局面を見つけてみたいと思われている企業さんと共に、面白いもの作りができたらいいなと思います。

HEREDIA KOMIYAMA

プロダクトデザイン・店舗デザインを中心に、企画段階から一緒に問題解決に取り組み、新しい価値や魅力ある製品が生まれるお手伝いをします。

広島市安佐北区安佐町飯室4791-1
TEL
082-881-6122
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FAX
082-881-6122
WEB
http://www.herediakomiyama.com
従業員数
2名
創業
2014年
込山 宏美
代表/プロダクトデザイナー
Paul Heredia
プロダクトデザイナー

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