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伝統産業の
見せ方を変えた
新しい商品づくり
事例 彩風
株式会社孔官堂
線香製造販売
クルーズデザイン
プロダクトデザイン

INTERVIEW

パッケージだけではなく、商品そのものを作り替える

クライアントである株式会社孔官堂さんとは、中国経済産業局主催の「カワいいもの研究会」に参加したのがきっかけで出会いました。この研究会は、「伝統工芸品の良さ×カワいい」がコンセプトで、企業とデザイナーのマッチングを行い、実際に商品を開発するというプロジェクトでした。
このプロジェクトに参加されているという時点で、お客様である孔官堂さんの方が問題意識を持たれていました。というのも、明治創業の老舗で、お線香やお香という伝統産業という中でやってこられていて、若い世代向けの商品がないということ、また、実際に商品を購入するのは大体女性なのですが、女性の目線でつくった商品がないということでした。
最初は既存商品のパッケージを変えてみるというところからスタートしたのですが、いろいろお話していくうちに、それだけでは難しいんじゃないかということで、使いやすさや商品の利用シーンを考えて、商品そのものを作り替えようという話になり、本格的な検討がスタートしました。

使う人の事を考えた、これまでになかった発想から生まれた商品

商品そのものを見直そうという流れになったことで、今回はパッケージデザインだけというより、ターゲットを若い人、女性にしぼった新商品を開発したという感じです。デザインのやり取りは増田専務を中心にさせてもらいました。
まずこの商品の売りは、お香が燃えた後の灰が固まるので、後片付けがしやすいという点でした。ただ、使いやすさという観点では、従来のお香は、初めてお香を買う人には優しくないんですよね。お香を使う時に必要な香立てや香皿は別売りなので、初めて買う人はお香の他にも色々買わなくてはいけない。そこをセットにしたら便利じゃないかなと考えました。パッケージを含めて色々検討していくうちに、かわいい缶にひかれる女性の気持ちを考えて、紙ではなく缶の箱にすることをご提案しました。これまで缶入りのお香というのはなかったので、驚かれていましたね。

そして、缶にすることで、缶のふたが香皿になり、固まった灰を香皿から直接ゴミ箱へ捨てることができて便利になりました。また、孔官堂さんからは、小さな香立てを磁石にすることで、缶とくっつけられて安定感があるし、収納にもいいねというアイデアをいただいて。ちなみにこの磁石はオリジナルで作ってもらっていて、お香を立てる時のちょうど良い角度を考えて穴の大きさと高さを設計しており、缶との一体感を感じられるように塗装もかけています。結果的に、初めての方でも暮らしにお香を取り入れやすい商品になったと思います。
色々と考えていく作業は私一人でやるわけではなく、話をしていく中で、お客様からも色々アイディアが出てくるんですよね。まさに孔官堂さんとの二人三脚で進めていきました。

お香という概念をやぶった、出しておきたくなる新しいお香

そもそものコンセプトが、「ターゲットである若い人や女性が手に取りたいと思ってもらえる商品」なんです。そのためには、お香という概念を破りたかった。お香というより、部屋の中にそのまま出していても素敵なインテリア商品である、という所に重きを置きたかったんです。どんなに商品が良くても、引き出しの奥にしまっていたら使えませんよね。出しっぱなしでもきれいなものを作りたいと思ってデザインをしていきました。その点、カワイイ柄の缶だと、出して飾っておきたくなりますよね。お香を使い終わった後も小物入れとしても使えますし、色々なシーンで使える商品になったと思います。

お客様の歴史を感じられるモチーフを現代風にアレンジ

増田専務から、「彩風」という商品名に合わせて、色鮮やかな製品にしたいという要望もあったので、缶のデザインはお香の香りによって3種類作りました。
元々缶のデザインに決まる前に抽象的なデザイン、和風のデザインなど、数案ご提案して、今のデザインに落ち着きました。実は、この缶のデザインに使っているモチーフは、孔官堂さんで昔使われていたお香の巻紙や箱などから来ているんです。会社を訪問した際に、昔の巻紙をきちんと保管していらしたんです。歴史を見せてもらって、とても面白くて。それを引用して、お客様の歴史を感じられるモチーフをいれつつ、現代風にアレンジして缶のデザインに反映させました。

雑貨というジャンルで新しい販路を作る

そうやって完成した商品は、孔官堂さんの中でも既存の商品ラインとは全く別の、これまでにない新しい商品になりました。
既存の商品はある程度売るお店も決まっていますし、取引のスタイルも決まっているそうなんです。それはそれで大事にしていく必要があります。そこで、孔官堂のラインとは別ブランドを立てて、「雑貨」というジャンルで販路拡大に挑戦しようということで、新しく「孔官堂香房」というクラフト感をだしたブランドを立ち上げて、展示会に出しました。今では、雑貨というジャンルの商品として、これまでにお取引のなかった、東急ハンズやミュージアムショップなどで販売されるなど、新しい販路の拡大につながっています。

デザインは、お客様の問題を解決する道具の一つ

孔官堂さんは、薫物線香の製造販売を昔からずっとされている歴史のある会社さんです。同じことを深く長い間されているということは私たちの想像以上のことなんですよね。社内の方には当たり前のことでも、私から見るとその継続性やこれまでに生み出してこられた数多くの商品は大きな財産。今回、初めて外のデザイナーと仕事をされることで、その財産を生かした商品につながったと思いますし、今後の展開も一緒に考えていけたらと思っています。
私自身の仕事としては、お客様の抱えている問題に対して、別の視点からその課題をどう解決できるかを考え、次の発展につなげることが仕事だと思っています。その中でデザインは道具の一つだと思っています。お客様と話をして、課題を共有しながら、何がベストの解決法かを考え、一緒に進んでいけるように仕事をしていきたいですね。
これまではグラフィックデザインが仕事の中心でしたが、今後も今回の事例のようなプロダクト自体にかかわれるような仕事ができたらなと思っています。

増田 幹弥
株式会社孔官堂 専務取締役
クルーズデザイン

商品開発、ブランディング、パッケージデザインまでトータルでお手伝いします。コミュニケーションを大切に、課題の解決から次の発展につながる方法を一緒に考えていきます。

広島市東区牛田新町
WEB
http://hirokouemoto.com
従業員数
1名
創業
2015年
上本 寛子
クリエイティブディレクター/デザイナー

クルーズデザインのその他のお仕事

株式会社まるじょう
パッケージデザイン
コールメディカルクリニック広島
パンフレット制作
彩風ランディングページ
ウェブ制作