「ともに、つくる」を大切に、企業の前進をお手伝い
ひろしまのデザイナーと企業をつなぐ相談窓口

山を
守るために生まれた
エッセンシャルオイル
事例 六月八日
久恒山林
林業・アロマ事業
Peace on the table
グラフィックデザイン

INTERVIEW

山を守りたいという、企業の強い思い

久恒(ひさつね)山林さんは大分県の会社で、アロマなどのオイルを作られていますが、もともとはおじいさんの代に北九州で有数の規模の炭鉱を経営していて、事業に必要な木材を得るために山林を増やしていました。しかし、1980年代に円高により外材の輸入が増え、どんどん木が売れなくなって、農山村の過疎化、高齢化も進み、山を手入れすることができなくなり山林を事業として経営していくことが困難になってしまいました。山林の下流には水を必要とする農業や都市があり、山林の管理を放置して保水力が下がると下流の生活に影響が出てしまう。また、せっかく植えて数十年かけて成長を続けている山林を、今が悪いからといって放置しダメにしてしまうわけにはいかない、次世代に何とか引き継ぐのが自分たちの世代の責任と久恒さんは山林を守ってこられました。
山林がだめになれば農業をはじめ森林環境を必要としている下流の社会もだめになる、自分たちの代でつぶすわけにはいかない。色んな思いがあってとにかく事業を続けていかなくてはという思いを持たれていました。この六月八日のプロジェクトが始まったのは、お嬢さんが大学卒業後に勤めていらした会社を辞めて家業を継ぐという決意で帰ってこられ、今の社長であるお父様が負債の大きくなった前の山林事業を整理せざるをえなくなりましたが、でも、もう一回リセットするというところからでした。

この先も続けていくための、思いを懸けたリニューアル

そのタイミングで特許庁の派遣事業でアドバイザーとして私が伺いました。その時もオイル商品を作られていましたが、山の事業を娘につなげていくという動機で、今あるものをリニューアルして商品を売っていきたいと考えられていました。
前のデザイナーさんが作られたロゴやパッケージは、自分たちの思いが入っていない。山をつなげていきたい、子供たちにもつなげていきたい、100年以上続く家も守らなくてはいけない。お父様としては、こういった気持ちをもっと表現していきたかったんだと思います。
私が伺うようになって1年後に、山は全部売ると言われました。木は知り合いの農家から買ってでも商品は作り続けるという言葉を聞いた時、絶対にこの事業を成功させないと、という気持ちになりました。

森が美しく輝く時を表現したネーミング

まずネーミングや商品の方向性、何を作っていくかといったところを考えていきました。アロマを使った食の分野、ヒーリング・医療などの分野にも入っていけるような、日本のサンタ・マリア・ノヴェッラを目指しましょう、という目標でスタートしました。
「六月八日」ってなんだろう?ということなのですが、すごく意味がある日にちなんでいます。梅雨の雨が降り始め、農家の方は田んぼ仕事が忙しくなり、六月八日には山に入らない。その時、森は鳥や虫の楽園になって、小川が水をたたえて流れ始め、鳥がさえずっている。そういう時期である六月八日は一年で一番森が生き生きと美しく輝く時なんです。そんな美しい森がずっとずっと続いていきますようにという願いを込めて、このネーミングになりました。会社にとってはもう一つ意味があり、お嬢さんが会社を辞めて帰ってきた日も六月八日だったそうです。

すべてが意味のあるデザイン

「六月八日」と決まる前にも色々ネーミングの候補はありましたが、ことごとく商標をとられていました。作っては商標調査をする、という繰り返しが続いている時に、農家の方から六月八日の話がでて、すぐにこれで決まりました。
ロゴデザインは、月がお月さま、日を太陽のイラストにしています。昔の人が太陽や月をみて、種まきや収穫の時期をみてきていることも、表現しています。
パッケージに描かれているのはクロモジという植物なのですが、桧を間伐すると生えてくる植物で、間伐した明るい森でしかクロモジは成長できません。ようするに美しく手入れされた森でしかとれないということを間接的に伝えています。
商品を入れる容器は、最初はプラスチックだったものを瓶に変えました。サンタ・マリア・ノヴェッラを目指すなら、高級感のある薬のイメージでいきましょう、ということで全体を茶色に統一しました。

商品の良さを伝えるための効果的な広報

商品を作ったら、それを広めるお手伝いもします。バイヤーさんに見てもらう展示会のブースは、全体イメージの設計やディスプレイもブランドコンセプトに合うように組み立てています。お取引の決まったバイヤーさんからは、「展示会のブースのままの、このイメージで来てください」と言われました。おかげで都内の百貨店などにも置いていただいたりと、売り上げも確実に伸びています。
久恒山林の思いやブランドのイメージを、分かりやすくバイヤーさんに伝えるためのコンセプトブックと絵本を作ったり、会場では制作した映像も流しています。こういった展示会では、その都度イベントに合わせて効果的な広報を考えるようにしています。

誇れる物づくりをする事で、会社全体がプラスになる

今回のプロジェクトで、商品をリニューアルしデザインに力を入れたことで、久恒山林さんもすごく変わりましたね。パッケージだけではなく、会社の意識も変わってきました。社員のみなさんが誇りを持てる商品づくりができてるからだと思います。周りからの評判も良いので、どんどん皆さんのモチベーションが上がって、会社全体がプラスの方向になってきていますよね。そこまでいくと、やってよかったと心から思えます。企業側が独り立ちしていくと、デザイナーとしては子供が育っていくようで寂しいなという気持ちもありますけど(笑)。久恒山林さんにはその後も時々伺ったり、連絡をするようにしています。

デザイナーのカウンセラーとしての役割

デザイナーさんの中には、ロゴを作ったからブランディングをした、と言われる方もいます。ブランドってもっともっと広くて、ブランドを作ることで企業だけではなくて、周辺地域にも影響していくということを意識してもらわないといけないと思っています。
ブランディングをする前に、デザイナーはカウンセラーのように企業さんの深い心の中を聞き出していかなくては本質が見えてこない。社長さんはいろんな思いを持ちながら事業を運営していらっしゃいます。きちんと聞いて思いを探ることで、その思いにいかに共感できるかということが大事だなと思います。

地域に根付く、生産者や会社の進む方向をサポートするお手伝い

私は「最短最速の販路拡大を一次産業のために」をキャッチフレーズにしています。一次産業をされている生産者の方が六次産業へ展開していくための商品開発から販路開拓までをサポートしているので、生産者さんと直接お仕事をさせていただくことが多いです。
生産者の中には、どこに相談に行ったらいいのか分からない方も多いですし、色々な人に相談することが以外に負担になったりしますよね。そういった部分を全体的にサポートしていくことで、その生産者がつくる会社のブランディングをはじめ、その地域全体の価値を上げていくお手伝いができればと思っています。

Peace on the table

一次産業とその六次化事業の商品開発から販路開拓に必要な様々な課題(資金調達・レシピ・デザイン・パッケージ・販路)をワンストップでサポートします。

広島市東区牛田中2丁目2-19-103
TEL
082-836-7456
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FAX
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WEB
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従業員数
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創業
2014年
清水 早苗

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