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ひろしまのデザイナーと企業をつなぐ相談窓口


鋳物メーカーと作る
新しい形の貯金箱
事例 縁起のいい貯金豚 きんとん ぎんとん
株式会社能作
鋳造メーカー
フジモトプロ
プロダクトデザイナー

INTERVIEW

商品化のために自ら企業へアプローチ

元々専門学校の講師をやっていたのですが、毎年学校のデザインイベントがあって、その企画の中で「豚の貯金箱」というテーマで作品を作ったのが最初でした。そのとき考えたアイデアをブラッシュアップして、東京ミッドタウンのデザインコンペに出したところ、グランプリをとったのがこの作品を商品化するきっかけになりました。
コンペで賞をとってから1年間待ったのですが、商品化するという動きがなかったので、自分から企業へアプローチしてみようと思ったんです。商品を作ってくれそうな鋳物メーカーを探す中で、富山県の高岡市にある能作さんにお願いしたいなと思って、ダメもとでアプローチしました。

自分のデザインに忠実に商品を作るために、焼縮みを考慮した模型作り

5円玉の素材は真鍮なのですが、高岡市には、真鍮を扱っている鋳物メーカーさんがたくさんあります。能作さんにお願いした理由は、真鍮等で作った風鈴をたくさん出されていてそれが自分が好きだったのと、動物ををモチーフにした商品などがあったことです。ハリネズミの形をしたコケの器のようなものがあるのですが、それを見た時、この「きんとん」「ぎんとん」もやってくださるのではないかと思いました。それで、企画書を作ってメールで協力をお願いしました。そうしたら能作の社長さんから返事が来て、やりましょうという回答をいただきました。
最初の打ち合わせは東京で行いましたが、とりあえず原形を送ってくれということでした。コンペの際にも模型を作っていたのですが、鋳物なので寸法が縮む事を考慮してサイズの変更をしました。この貯金箱のデザインは、お金を中に入れるのではなくて胴体になるというのが特徴です。お金のサイズと豚の頭とお尻が接する部分が同じサイズにならないといけないので、収縮率を考慮したものを作り直して送りました。

こだわりを実現することと価格設定のバランス

今回この商品を作るにあたって大変だったことはコスト面です。きんとん、ぎんとんの2匹とも同じ価格で販売したかったのですが、「ぎんとん」の方の材質を白銅にしたのでぎんとんの方が高くなっています。白銅は素材的に鋳造をきれいに作る事が大変難しい素材なんです。でもどうしても50円硬貨と同じ素材でぎんとんを作りたかった。価格は高くなりましたが、能作さんに「それでも売れる」とおっしゃっていただき、最終的にはお任せしました。
パッケージのデザインも私がやらせてもらっています。最初の提案は箱が小判型で昔の小判の包み紙のような金何百両という風なイメージで描いたりしました。ただコスト的に厳しかったので、最終的には四角い箱にして、50円と5円がかぶさったような水引をつけ、それがブタの鼻のような形に見えるようにしました。

メーカーとしてではなく、OEMとして

企画から商品化までどんどん進んでいきました。能作さんは、小泉誠さんや五十嵐久枝さんなど有名なデザイナーさんをはじめ、多くのデザイナーさん達とすでに一緒に商品を作られている実績がありました。そういう意味では企業側にデザイナーと協業する土台があったのかなと思います。
今回のこの商品は能作さんの商品として販売しています。他のデザイナーさんと並んで商品を置いていただけるということも、自分としては本当に素晴らしいことでしたね。

今後は広島という地域の技術にも注目していきたい

今回は富山の会社との物づくりだったので旅費などみても結構費用がかかりましたね。やはり打ち合わせにしても、現場を見るにしても、近いというのはやり取りをする上で非常に利点があると思います。今回は事例のある会社を探して富山という場所になりましたが、今後は広島にもこういった技術がここにあるという事を普段から情報収集してデザインを考えていけたらいいなと思います。
販路については、僕自身、販路を広げるような手法を持っているわけではないので、どこまでできるかは分からないです。こういうものを作りたいと思ってお願いする企業は、概して販路を持っていない方が多いんじゃないかと思うんですね。そうした場合は一緒に販路を考えながら拡大していきたいと思います。

プロダクトデザイナーと一緒にものづくりをする意義

広島は食品メーカーさんが多いですよね。先日ケーキ屋さんがバレンタインデーのオリジナルのチョコレートを作る仕事に携わる機会があって、その型となる形の3Dデータを私が制作しました。そういった型を使って作る食品については、プロダクトデザイナーにも色々と企業の力になれる部分があるのかなと思っています。
食べ物のデザインって面白そうでやってみたいなと思いますね。お菓子とか、洋菓子など、他の食品でもプロダクトデザイナーにもできることがまだあるかもしれません。
食品以外でも、企業側に作る技術はあってアイデアの部分が分からないとか、この様な形の物を作りたいがどうしたらいいか分からない、といった部分の相談にはプロダクトデザイナーが活きてくるのではないかと思います。実際に作るとなると専門的な知識が必要となるので、できる人が絞られてきますから。
企業のなかで作っている方とデザイナーで補えない部分について一緒にやっていくことで、お互いが手助けしていけるのではないかなと思います。

能作 克治
株式会社能作 代表取締役社長
フジモトプロ

フジモトプロのプロはプロダクトのプロ。家具や生活雑貨、パッケージなどプロダクトのデザインを中心に手掛けます。
貴社の技術や素材を生かし、新しい価値を持った製品を生み出すお手伝いをいたします。

広島市中区住吉町12-9スガハラビル201
WEB
http://fujimotopro.com/
従業員数
1名
藤本 聖二
代表

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プロダクトデザイン
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プロダクトデザイン
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