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子供の記憶に残る
カバンでできた
サイン計画
事例 たぶせ第二保育園サイン計画
たぶせ第二保育園
福祉事業
Storm Graphics
グラフィックデザイン

INTERVIEW

記憶に残るものを作りたい

今回のお仕事は、知り合いの建築設計事務所から連絡をいただいて、保育園のサイン計画をやってもらえないかと依頼があったのが始まりです。それで、建築設計事務所の方と一緒に保育園にお邪魔しました。
この保育園は、0歳から2歳の乳幼児たちのための施設を作るということでした。そこで、保育園に通園している頃はわからないかもしれないけれど、小さいとはいえ感性を磨く時期なので、小学生になり中学生になった時に、そういえば自分が通っていた保育園ってこんなとこだったよねとか、あのツリーが思い出に残ってるとか、あそこで遊んだねとか、そういう何か記憶を残してあげたい、というお話しをさせていただきました。園長先生には、「ああすごくいいお考えで理念に合います」ということで賛成していただきました。

デザインはビジュアルの先にある、気持ちをコントロールするもの

デザイナーを使ったことがない方は、デザイナーってかっこいいものを作る人でしょって思われていて、デザインの目的がかっこいいものを作ることにあると思いがちですね。だけど、そのビジュアルによって、その先の何かコトを起こすっていうことがデザインだと思います。かっこいいものを作るっていうのは目的じゃなくて、その先の、売れるとか、楽しいとか、嬉しいとか、気持ちいいとか、かっこいいとか、そういう気持ちのところをコントロールするというのがデザインだと思います。
目指すべきものは何か、というところをまず固めるために、最初に、理念とか、現状のあり方とか、これからどうしていきたいかという部分の話を聞かせてもらうことにしています。あと、昔からこういう思い入れのものがあるんだよとか、歴史的な部分も教えていただきます。これらを頭に入れて、こちら側からいろいろ練ったものを提出します。こういう物を作ってくれと言われたものを出すのではなくて、こんな感じでそちらの理念に合いますかっていう提案をさせていただくということなんです。

シンボルツリーの復活計画

当初はアンパンマンがキーワードになってるからということで、アンパンマンカラーのサインを考えていたんです。アンパンマンが、窓からちょろっと覗いてるとか。ところが、進めていくうちに、アンパンマンを使うのは権利とかの関係があって難しいということになりました。じゃあどうするかということで、アンパンマンとは別に、昔、シンボルツリーが園の中にあったそうなので、じゃあシンボルツリーを復活させようということになりました。ただ建物内に木を植えても面白くないので、建築設計の方と話をしながら、シンボルツリーを真ん中に置く前提の建物にして、シンボルツリーのサインが入る階段の踊り場をつくることにしました。シンボルツリーを真ん中に作った時に、いきなり抽象的なシンボルツリーが出てくるのもストーリーとしておかしいので、園の入口にあるリアルな木の絵からだんだんと抽象的な絵になっていくアプローチをつくって、子供たちが入り口のところから、徐々にネバーランドに入って行くという物語を作りました。

思い出に残る、カバンのサイン

ここは大人に保育してもらうための施設ではなくて、子供たちの世界の、子供たちが主人公の建物っていうコンセプトで進めていきました。すべてを子供目線にということで、サインは大人の目線の位置ではなくて子供目線の位置に全部置きました。0歳から2歳の子供たちの園なので、文字はまだ読めないですよね。だとしたら色と形は分かるかなということで、イラストで表現しています。
サインは実際に子供たちが触れることができる高さにあるので、素材等にはちょっとこだわることにしました。3歳以上になるとお兄ちゃんお姉ちゃんが通園カバンを持ってくるんですが、カバンって小さい子の憧れのアイテムだと思うんですよ。それで、サインをその憧れのカバンの形にして、子供たちが手にとって遊べるように、取り外しもできるようにしました。設計士さんと話し合いを重ねる中で、サインのビジュアルだけだと弱いので、カバンにすることで将来思い出になるかなというところで、取り外せるカバンのサインに落ち着きました。素材も汚れるだろうから、汚れたら洗えるように布のカバンにしています。もう遊び道具の一つになっていますね。

大人のためのサインではなく、子供が主人公

子供のためのものを考えることも、大人のものを考えるやり方と基本的には一緒だと思います。いかに自分が子供側の気持ちになれるかということなんですね。これぐらいの目線で歩いた時にどう見えるかとか、何が印象に残るのか、楽しいかなとか、そういうことに気をつけながら作りました。アプローチからネバーランドに入って、いかに楽しいかということを考えながら作業しました。
シンボルツリーの横の階段の下には穴が開いているんですが、あそこは物置ではなくて子供たちの隠れ家なんです。隠れ家のあるシンボルツリーを作ろうっていうことで、シンボルツリーと隠れ家を同じ場所に作りました。でも、こういう物があるからこう遊びなさいとは言わないのだそうです。子供たちが自分で遊びを見つけてほしいというのが先生の考えなんです。そこにただある、ということが大切なんですよね。

大人になって思い出話をしてくれたらうれしい

これは先生の理念というか考え方なんですが、私も長いスパンで印象に残るものを作るということが大切だなと思います。赤ちゃんの頃に何気なく遊んでいたものかもしれませんが、保育園にはこんなサインがあって、シンボルツリーの下で何々したよねとか、そういう思い出話を大人になってしてくれたらうれしいなって思いますね。
そこの思い出のところに自分のデザインが役立って、子供たちの記憶に残ってもらえたらいいなと思います。

出井 祥子
たぶせ第二保育園 園長
Storm Graphics

グラフィックデザイナー。CI(VI)、サイン・展示計画、パッケージ、パンフレット等。ブランディングを中心とし、一貫した理念のもと様々なツールを包括的に企画・制作しております。

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